303
[8]前話 [2]次話
雨そ降る
落つるは涙か
空ぞ泣く
想ふも侘し
梅見月かな
春が近いのか…暖かくなり、二月の終わりに雪ではなく雨が降っている。
春…彼がここから立ち去った春が、また寂しさを連れてくるのか…。
この雨は空が泣いているのだろうか…。
彼を想い見上げた空は、まるで止め処なく涙を流しているように見える…。
花びらと
思いて見なば
白雪の
淋しさつのる
朝ぼらけかな
外灯の灯りに、不意に舞った雪が花びらに見え…未だ冬であると覚らせた。
昼の暖かさが嘘のように、真夜中より冷え込みが厳しくなり…朝方にはうっすらと雪が積もっていた。
何もない時…彼のいない町…花びらのような白雪の舞う暁は、私へと淋しさを募らせた…。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ