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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
S t o r y 1 1 ルギアル・シークティウス
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!」
「オオオオオッ!」

ルギアル隊長を先頭に、評議員達は撤退して行った。

「……ダメだ。どー見ても“隊長”に見えねェ。」
「アンタ、まだ信じてなかったの?」
「まっ、とりあえず、これで一件落着ねっ。」
「はい!」
「だな。」
「腹減ったなぁ……?」
「あい。オイラもうお腹ペコペコだよぉ〜……。」
「私も、おなか空いちゃった。」

ルギアルが去っても首を捻ってばかりのイブキにシャルルが呆れ、ルーシィの嬉しそうな言葉にウェンディとグレイが頷き、腹の虫がなき始めたお腹をさすりながらナツが言うと、同意するようにハッピーとエメラも頷いた。

「もう夕方か。日が暮れる前にギルドに帰るぞ!」

空を見上げたエルザの言葉を合図に、ナツ達はギルドに向かって歩き出した。

「コテツ〜!早くしないと置いてっちゃうわよぉ〜!」
「あ、うん!皆待ってよー!」
「バンリ、お前も早く来い。」

ルーシィが手招きして、慌ててコテツが皆を追って走り出す。バンリもエルザの言葉に黙って頷くとエルザの隣に並んで歩き出した。
二人は、ルギアルのことをずっと考えていた。

(あの男、俺の“正体”を知って……?)
(あの人は、僕の『器』について気づいた……と言うことは、まさかそんな―――――!)

二人の脳裏には、ルギアルのあのニコリと優しげに、だけど不敵に見える微笑みが焼き付いて離れなかった。

(評議院第3強行検束部隊隊長、ルギアル・シークティウス……。)
(いったい、何者なんだ……?)





同じ頃、部下を引き連れて薔薇の女帝(ローゼンエンプレス)の捕縛に成功した帰り道、ルギアルは自分の後ろを歩く部下達に気づかれないようニコリと不敵に微笑んだ。

(バンリ・オルフェイド……。コテツ・アンジュール……。この二人については、これからきっと面白くなるだろうな。そして―――――)

口角が上がる。

(ナツ・ドラグニル……!エメラルド・スズラン……!まさか、君達にこうして()()()()ことができるなんてね……!)

自身の青緑色をした瞳がこれまでにないくらい妖しげに爛々と輝いていることにルギアルは気づいているのであろうか?

「隊長?なんだかすごく嬉しそうですね?」
「なんか良いことでもあったんですか?」

すぐ後ろを歩いていた二人の部下が問うと、ルギアルは興奮気味に頬を紅潮させ、両手を広げて言った。

「あぁ!今日はとても良い日だよっ!なんてったって……月が素晴らしく美しいからなっ!」

暗くなり始めた空に浮かぶ青白く光る月は、口角を上げたルギアルの口のように細い三日月をしていた。
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