第五章
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「山盛りにしてくるから」
「これ位は」
「これ位ならいいじゃない」
茉莉花は太介のその言葉にこう返した。
「そうでしょ」
「じゃあ」
「ええ、入れて来るわね」
「それじゃあ」
太介は茉莉花の言葉に引かないものを感じてだった、そのうえで。
ここは彼女に任せることにした、するとだった。
茉莉花は太介からお椀を受け取るとすぐに立ち上がって台所に向かってだった。そしてお椀に山盛りの御飯を持って来た。
太介はその御飯をラーメンをおかずにして食べた、そうしてお昼を食べると。
茉莉花はお盆の上にラーメンの丼もお椀もお箸も乗せて台所に持って行って暫くして帰って来た。だがその彼女にだ。
太介はゲームを再開しつつだ、こう尋ねた。
「ちょっと時間かかった?」
「食器全部洗ったから」
「だからなんだ」
「その分だけね」
時間がかかったとだ、茉莉花は今度は別の漫画を読みはじめていた。今度は12歳という漫画であった。
「時間がかかったのよ」
「そっちもしたんだ」
「そうよ」
漫画を読みつつの言葉だ。
「もう終わったから」
「何かこのことも」
「だから家事はね」
それはというのだ。
「当然のことだから」
「当然?」
「そう、当然よ」
まさにというのだ。
「このことは」
「そう言うんだ」
「とにかく家事は終わったから」
「だからなんだ」
「そう、また漫画読むわ」
「僕はゲームしていいんだ」
「柿の種追加持って来たし」
見れば卓の上のそれが増えていた。
「柿と蜜柑もね」
「あっ、あるね」
「持って来たから」
だからだというのだ。
「よかったら食べて」
「気が利くね」
「そうかしら」
「けれどこうしたことはなんだ」
「普通だから」
それでというのだ。
「気にしないで」
「じゃあ」
「うん、ゲーム続けてね」
「それじゃあ」
こうしてだった、そのうえで。
太介は午後もゲームをしてだった、茉莉花は漫画を読み続けた。そのまま時間を過ごしているとだった。
三時になるとだ、茉莉花はまた太介に言ってきた。
「おやつ何がいいの?」
「柿か蜜柑食べるけれど」
「そうなの」
「うん、そっちをね」
「じゃあ私もね」
漫画から目を離さない、午後も。
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