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お化け
第六章

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「誓って言うぞ」
「ここに来た者でわし等の姿を見てもそれまでじゃ」
「御前さん達みたいでなければ適当に誤魔化す」
「そうしておるわ」
「あの馬鹿者は自分で勝手に事故った」
「そして死んだのじゃ」
 そうなったとだ、二匹はあくまで言う。そして二人も彼等の話と清原がどういった人間かを思い出してまた二人で話した。
「そういえばね」
「あの人無免許だったし」
「おまけに夜の山道でスピード出してね」
「しかもノーヘルだったら」
「事故も起こすわね」
「当然のことよね」
 こう話すのだった。
「それじゃあ死んでもね」
「不思議じゃないわね」
「尚且つライトも付けていなかったぞ」
「七五〇のバイクで全速力だった」
 二匹はその時の清原のことをだ、二人にさらに話した。
「しかも運転ははじめてだった様だ」
「バランスも悪かった」
「酒も入っていたな」
「あれは一升空けておったな」
「何か清原さん馬鹿過ぎるわね」
「そうよね」 
 二人はあらためて話した。
「何ていうか」
「交通事故起こす条件揃い過ぎね」
「馬鹿な人ってのはわかってたけれど」
「これはまた凄いわね」
「そんな奴が事故を起こして死ぬのは当然だ」
「あの様な馬鹿者は滅多にいないであろう」
 また言った二匹だった。
「わし等が何かするよりもだ」
「あの馬鹿者はどうせすぐに死んでおったわ」
「一体どれだけ交通ルール違反を犯しておる」
「捕まればどうなるかわからんぞ」 
 そこまで違反を犯しているというのだ。
「そうした奴が死んで言われても知るものか」
「御前さん達でもそう思うだろう」
「それはね」
「私達だって」
 二匹に言われてだ、二人も否定せずに述べた。
「夜道はスピード落としてね」
「ライトも点けてるし」
「お酒飲んだら絶対に乗らないし」
「自転車でもね」
「さもないと危ないから」
「免許はいらないけれど」
 自転車乗りとして話をした。
「普通にね」
「それ位はしてるから」
「それこそ清原さんみたいにしたら」
「本当に事故死するわ」
「そういうことだ、あの馬鹿者は自業自得だ」
「死ぬべくして死んだのだ」
 二匹はまた二人に言った。
「わし等もトンネルの中で見ていてびっくりした」
「また凄い馬鹿者が死んだとな」
「普通有り得ないまでのな」
「そこまでの馬鹿だった」
「そんな馬鹿者だからだ」
「勝手に死んだだけだ」
 自業自得の形でというのだ。
「そこまで言われても知るものか」
「何でもわし等のせいにするかということだ」
「そうなのね」
「じゃあここでのお話は只の噂で」
「清原さんのことも全然関係ない」
「そうなのね」
 二人も納得した。
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