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剣聖がダンジョンに挑むのは間違っているだろうか
第9話(白兎side):解放編
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できるか心配だったけど、自分でも驚く程手慣れた動きでベル君のステイタスを更新することができた。

このステイタス更新が完了すれば、ボクの渡した斬魄刀――『■■』君もベル君と共に強化される。問題はベル君のステイタスが憧憬一途(リアリス・フレーゼ)の効果でどれだけ成長していて、『■■』君がどれだけ強化されるかだ。


「神様、来ます!!」


ボク達のいる広場へと繋がる一直線の通路。その突き当りの曲がり角からシルバーバックが現れると同時にボクはステイタスの編纂を完了した。


ベル=クラネル
LV.1
力……F327→D550
耐久…G205→F307
器用…G274→E462
敏捷…E401→C632
魔力…I0→E403

【魔法】
≪   ≫

【スキル】
憧憬一途(リアリス・フレーゼ)


……ッ!全アビリティ熟練度、上昇値トータル1100オーバー!?これなら『■■』君の威力も跳ね上がる!


「さぁ!行くんだ、ベル君。君の力をあの猿野郎に見せてやれ!!」


ボクはそう告げると同時に、ベル君を送り出す様にその背中を押した。



【視点:ベル】



「さぁ!行くんだ、ベル君。君の力をあの猿野郎に見せてやれ!!」


シルバーバックが姿を見せると同時に神様がそう言いながら僕の背中を押し、僕が一直線にシルバーバックへと突撃しようと思った瞬間、目の前の光景が一変した。

先程までダイダロス通りの広場にいた筈なのに、何故か目の前には黄色い花畑が広がっていたんだ。これは東区画の通りで見た白昼夢?


「主神が君を信じているのに、君は自分の力を信じられないのかい?」
「!!?」


僕に話し掛けて来たのは、これまた先の白昼夢で見たテレシアさんに似た男性騎士。


「敵1匹で君も1人。そして、主神は君が勝てると信じている。それなのに何を恐れているんだい?」
「……恐怖を感じることは、敵に臆病であることはいけないことですか?」
「いけないことではないね。それは戦う者にとって必要なことだ。生存本能ともいえる感情だし、言い方を変えれば慎重ということだからね」
「なら―――」
「けど、恐怖に呑まれた者は前に進むことができない。同じことが起こる度、逃げるという選択しか選べなくなる」
「うっ」
「君が本気でテレシア=ヴァン=アストレアと共に歩みたいのなら、恐怖を捨てて前を見るんだ。そして、立ち止まることなく前へと進め!」
「……」
「引けば老いるぞ!臆せば死ぬぞ!叫べ、僕の名は――」


………男性騎士が名を教えてくれた瞬間、僕は心象世界から現実世界へと戻り、自分でもよく分かっていないけど、今まで自分に起こった全ての事象を理解できた。

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