第9話(白兎side):解放編
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「………神様、ダイダロス通りにはどう行けばいいんですか?」
「べ、ベル君!?」
「人口迷宮と呼ばれているダイダロス通りなら上手く立ち回ればシルバーバックを撒けます。それに市街にモンスターが現れたことは誰かがギルドに報告してる筈です。
冒険者による討伐パーティも組まれてると考えていいと思います。僕達はその討伐パーティが現れるまで時間を稼げばいいんです」
自分で言っててなんだけど、穴だらけの作戦だ。実際の所、討伐パーティは組まれてるだろうけど、そのパーティがどうやってダイダロス通りに迷い込んだモンスターを補足する?
メンバーの中にモンスターの補足と迷宮把握できるスキル持ちが居れば話は別だけど、そうでもなければ討伐パーティはモンスターの所まで辿り着けない。
いざとなれば、神様だけ逃がして僕がシルバーバックと戦えばいい。僕にはアトゥイさんから貰った『水魔の短剣』と神様から貰ったナイフがあるんだ。倒せなくても神様が逃げる時間を稼ぐ位はできる筈だ。
「………分かった。ダイダロス通りに行こう、ベル君」
「はい、神様!」
僕は神様に案内されるままダイダロス通りへと向かった。そして、シルバーバックから逃げ出して十数分後―――
シルバーバックに追い回され、縦横無尽に地上の迷宮を掛け回っていた僕と神様は背の高い家屋に挟まれた行き止まりへと辿り着いた。
この状況での唯一の救いは行き止まりとなっている場所がかなり大きい広場の様になっていることだろうか?これだけの広さなら戦闘になっても神様を巻き込まずに済みそうだ。
「……神様、僕がおと―――」
「ベル君、ステイタスを更新しよう」
「―――え?」
「ステイタスを更新して、君がシルバーバックを倒すんだ」
「……な、何を言ってるんですか!?LV.1の―――冒険者になって1ヵ月足らずの僕にシルバーバックを倒せる訳が―――」
「ベル君、君は自分を過小評価し過ぎだ。他の冒険者ができないことでも君にならできる。ボクが保証する。自分が信用できないって言うなら、君の本当の強さを知っているボクを信用しておくれ」
……自分ではシルバーバックを倒せないから、時間を稼ぐ為に無様でも逃げ続け、倒せる冒険者を頼ろうとする情けない僕を神様は信用している。
それだけで嬉しさや情けなさといった様々な感情が入り混じって、瞳の奥から涙が溢れ出そうになった。けど、これ以上情けない姿を見せたくなかった僕は無言で頷き、神様に背を向けることで神様の提案に応えることにした。
【視点:ヘスティア】
5年前、テレシア君が入団してから何度も行ってきたステイタス更新。モンスターに追われた現状でいつも通りに
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