第9話(白兎side):解放編
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ういうことだろう?
僕がそんなことを考えていると、僕達の背後に上空から何かが降り立った。
「…………う、うわぁあああぁぁ!も、モンスターだぁあああああぁぁぁぁ!!」
「ガァアアアアァァァ!!」
突然現れたのは全長が3mはありそうな純白の毛並みの大猿で、素人目でも明らかに興奮した状態だった。こいつは――
「シルバーバック!?何でこんな所に!!?」
つい先日、アトゥイさんとペアを組んで12階層まで潜った時に僕はこいつを見た。アトゥイさんがシルバーバックと言っていたのを覚えている。
シルバーバックは何かを探す様に周りを見回していたかと思えば、僕と神様がいる方向で視線を止め、笑みを浮かべた。
「!?」
こいつの狙いは僕か神様?冗談だろ?10階層以降のモンスターに恨まれる覚えが僕には無いし、神々は迷宮に入ることが禁じられているから、神様もモンスターに狙われる記憶は無い筈だ。
僕がそんなことを考えていると笑みを浮かべたシルバーバッグがこっちに向かって飛び掛かって来たので、僕は咄嗟にすぐ横にいる神様を抱きかかえ、避けた。
瞬間的に目標を見失ったシルバーバックは僕と神様がいた場所の直線状にあった屋台に突っ込み、この場に更なる悲鳴が響き渡る。
覚えはないけど、狙われているのが僕か神様の可能性がある以上、人通りの多い場所に僕達がいるのは一般人を巻き込む可能性がかなり高い。
そう考えた僕は少しでも人気の少ない場所に移動する為、神様を抱きかかえたまま路地裏へと続く道に飛び込んだ。
「ベ、ベル君!?」
「神様、あのシルバーバックは僕達を狙ってるみたいです。大通りにいたら一般人が巻き込まれるので人気の少ない場所に移動します!」
「ぼ、ボク達が狙われてるのかい!?」
「どう考えてもそうですよ!僕らを見た瞬間、笑みを浮かべて飛び掛かって来たんですから!!……ちなみに、神様はシルバーバックに狙われる記憶はありますか!?」
「そんなもの、迷宮に入ったこともないボクにある訳ないだろう!?そういうベル君はどうなんだい!!?」
「僕だって先日アトゥイさんに一方的に狩られているのを見たことがあるくらいで、直接的接点なんて全くありませんよ」
僕が神様を抱きかかえて路地裏を走りながら尋ねると、神様には予想通り狙われる覚えがなく、逆に狙われる覚えがないか尋ねられた。
「と、兎に角人気の少ない場所に行かないと」
「人気の少ない場所なんて、この辺りじゃダイダロス通りしかないよ!ベル君」
ダイダロス通り。それは度重なる区画整理で迷宮の如く秩序の狂った広域住宅街。住人以外が迷い込んだら2度と出て来られないと言われている。
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