234部分:炎は燃えてその三
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炎は燃えてその三
ーシアルフィ城ー
シアルフィ城の正門が大きく開かれた。門の向こう側から歓呼の声が聞こえる。解放軍は今城門をくぐった。
歓呼の声が歓喜の地響きへと変わった。シアルフィの民衆は待ち望んでいた者達が遂に来たことに大いに喜んだ。
軍の先頭にはノィッシュ、アレク、レックスといった先の大戦からの勇者達がいる。二度と見れぬとお持っていた故郷に帰れた喜びの為だろう。ノィッシュとアレクの頬はぬれていた。
リーフ、フィンを先頭に見事な軍服に身を包んだ騎士達が続く。ラインハルトやオルエン、ブリアン、レスターといった歴戦の諸将も揃っている。
続いて飛兵である。アリオーンとアルテナ二人の聖戦士の後にも竜騎士達が続きその後に四天馬騎士の娘達に率いられた天馬騎士達が続く。
歩兵は大部隊であった。軽装歩兵と重装歩兵、弓兵、そして魔道師から成る部隊が整然と並びそれぞれの部隊の将達が率いる。
僧兵達が入って来た。それぞれの手に杖を持っている。その中には伝説的な賢者と言われるクロードもいた。
最後に解放軍最強と謳われるセリスの近衛兵達が入って来た。青い軍服に身を包みシアルフィの旗を高々と掲げる彼等の姿が目に入るとシアルフィの市民達の歓声は頂点に達した。
遂に解放軍を率いる者達が入城してきた。まずオイフェが入って来た。
黒い軍服とマント、白ズボンに身を包んだ彼は先に進むノィッシュやアレク、アーダン達と同じく頬を涙で濡らしていた。ユングヴィへ侵攻するヴェルダン討伐に出てから二十余年、様々なことがあった。だが今こうして若き主君と共に帰ってきた。その感慨はひとしおであった。
次にレヴィンが入って来た。白づくめの法衣とズボン、そしてマントに身を包み珍しく馬に乗っている。
その表情からは何も窺えない。ただ進む先にあるシアルフィの宮城を見ている。
解放軍の副盟主であるシャナンが入城してきた。彼も馬上にある。
彼は今までの長い戦いの人生を振り返っていた。叔母であるアイラに連れられイザークから遠く離れたヴェルダンにまで落ち延びた。そこでシグルドと知り合い以後彼と行動を共にした。アグストリアでは自らの過失によりディアドラを素性の知れぬ者(ようやくそれが暗黒教団のマンフロイ大司教の仕業であったとわかるのは後の話である)にさらわれた。以後彼はそれを罪と感じセリスを守り育てて生きてきた。セリスはシャナンによく懐いてくれた。その仲はまるで兄弟のようであった。
セリスの旗揚げ後自らの神器である神剣バルムンクと共に砂漠で合流した後はセリスを助けた。時にはセリスに替わり指揮を執ったこともある。レンスターからトラキア、ミレトスを転戦しこのシアルフィまで来た。セリスをその故郷である
シアルフィまで連れて行くという彼の目的の一つが今ようやく達せら
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