第二章
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「実際はどうかしらね」
「不明よね」
「どうにもね」
そうだというのだ。
「これが」
「何とも言えない」
「その目で見ないと」
「それでその人がよ」
美奈代はあらためてだ、希に話した。
「確かめに行こうっていうの」
「夜の十二時か二時になのね」
「トンネルの方まで行ってね」
「本当にいたらどうなるのかしら」
「いないかも知れないけれど」
「いるんじゃないかしら」
希はかなり本気でだ、そちらの可能性を疑っていた。
「やっぱり」
「希ちゃんはそう思うのね」
「うん、そうだけれど」
「私もよ」
美奈代もこう答えた。
「やっぱりね」
「いるって思う方がね」
「可能性高いでしょ」
「そうよね」
「いたからここまで噂になってるし」
「皆言ってるから」
「そう考えたら」
まさにだ、話せば話す程考えれば考える程だった。
「いるわよね」
「そうよね」
二人で話す、だが。
その話をしてからだ、二人は清原についてはあくまでこう言うのだった。
「何もなかったらいいけれど」
「実際にね」
「何もなかったら」
「それでね」
清原は好きではない、だが二人は彼のその無鉄砲は試み二人から見てそうであるそれに対して安全であることを願った。
そしてだ、数日後だった。清原は無残な姿になっていた。美奈代は希のそのことも話した。
「無免許でバイクに乗ってね」
「無免許で?」
「そうなの、お家のバイクに乗って」
「トンネルまで行ったの」
「それでだったのよ」
「事故を起こしたの」
「相当スピード出してね」
そうしてというのだ。
「トンネルの壁に直撃して」
「死んじゃったの」
「しかもヘルメットもしてなかったらしくて」
「バイクに乗ってるのに」
「それでね、酷い死に方だったらしいわ」
「お化けにやられたのかしら」
「どうかしら」
首を傾げさせてだ、美奈代は希に言った。
「そこはわからないけれど」
「それでもなのね」
「そう、死んだから」
「あのトンネルで」
「お葬式もやって」
清原のそれもというのだ。
「大変な騒ぎだったわ」
「美奈代ちゃんのところで」
「ええ、けれど正直厄介者だったから」
近所でもだ、美奈代は清原のこのことも話した。
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