第四章
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「一回の勝負で使える数は限られている」
「そうしますか」
「こうしたら作品に緊張感が出ますから」
この効果があり読者に緊迫感を与えるからだというのだ。
「そういう感じで」
「いきますか」
「そして勿論です」
「最後は勝つんですね」
「そうです、それと」
「それと?」
「もう展開伸ばしていきましょう」
間後人は富山にこうも言った。
「出来るだけ」
「展開をですか」
「はい、要するに遅くです」
「ストーリーを進めないんですね」
「何しろ人気トップの作品ですから」
雑誌においてだ。
「終わると困るんで」
「だからですね」
「はい、もう引き伸ばせるだけ伸ばして」
展開、それをだ。
「それで今の話が終わっても」
「次の展開ですか」
「それでいきましょう、今だと最終回になりそうですが」
「終わらせずに」
「はい、続けていきましょう」
「じゃあ次の展開は」
「当然ライバルです」
この単語がまたしても出て来た。
「新しいキャラを出しましょう」
「そうしますか」
「それでいきましょう」
こうしてだった、次の展開まで決まった。それがはじまるまで徹底的な引き伸ばしが行われたのだった。
そして新展開になってだ、今度は空を飛べる様になりしかも新しい敵は空手家から異種格闘技になっていってだ。
挙句にだ、間後人はさらに言った。
「日本から世界へ」
「世界にですか」
「舞台を広げましょう」
「世界の空手家を出すんですか」
「いえ、色々な格闘技をです」
それをというのだ。
「出していきましょう」
「気を出して空を飛ぶ」
「はい、全ジャンルです」
まさにというのだ。
「出していきましょう」
「マーシャルアーツも中国拳法も」
「ムエタイ、ボクシング、プロレスに」
「とにかく色々とですね」
「出してです」
そうしてというのだ。
「派手にいきましょう」
「派手ですか」
「もうこれ以上はないまでに派手にして」
「そして引き伸ばしもですね」
「それも忘れない、とにかくです」
間後人は大風呂敷をこれでもかと拡げて言っていった。
「派手に、そして格闘シーン盛り沢山で」
「格闘シーンを前面にですね」
「出していきましょう、ページ数は限られてますが」
それでもというのだ。
「これでもかってです」
「格闘シーンをですね」
「出すんです、もうストーリーは」
「そちらは」
「気にしなくていいですよ」
こう言い切った。
「もう」
「そうなんですか」
「ああ、ヒロインもですね」
「そういえば最近あの娘出てないですね」
「主人公の妹にしません?」
「妹ですか」
「はい、実は生き別れだったとかで」
そうした設定にしてというのだ。
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