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インフレーション
第二章

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「ですからこれからはです」
「格闘要素を多くしていって」
「そしてです」
「人気をですね」
「もっと上げていきましょう」
「人気があれば」
「漫画は続きますし」 
 打ち切りにならずにというのだ。
「看板雑誌、アニメ化にです」
「世界的なですね」
「そうなりますから」
「だからこそ」
「もっともっとです」
「格闘要素を増やしますか」
「とにかく強い敵を出すんです」
 キャラについてはこう言った。
「次から次に」
「強敵を倒していくんですか」
「そうです、そして強い敵を倒せば時には」
「時には?」
「その敵が仲間になるんです」
 そうした展開にもっていくというのだ。
「キーワードは友情、努力、勝利です」
「その三つですか」
「この三つをとことんまでです」
 それこそ他の要素を徹底的に排除してでもというのだ。
「前面に出して」
「そうしていって」
「やっていきましょう」
「恋愛は」
「ヒロインいますから」 
 間後人の返事は簡潔だった。
「それならです」
「それで充分ですか」
「主人公の傍にいれば」
「それで、ですか」
「構いません。とにかくライバルです」
 このキャラが重要だというのだ。
「どんどん出しましょう」
「これからは」
「色々なタイプを、ただ」
「ただ?」
「ライバルは仲間になっても」
 ここでだ、間後人は富山にこうも言ったのだった。
「やっぱり一番は主人公です」
「主役を立てるんですね」
「はい、仲間になったライバルキャラは」
 こうしたキャラ達はというと。
「引き立て役にしましょう」
「主役のですか」
「はい、噛ませです」
 間後人はjはっきりと言い切った。
「例え王子様でもです」
「噛ませですか」
「あんな強かった奴が噛ませかと読者さんに思わせて」
「主役が強敵を倒す」
「そうすれば人気が出ますから」
 だからだというのだ。
「それでいきましょう」
「とにかく主役第一ですね」
「今主役空手をはじめましたけれど」
 取り入れた格闘要素はこれだった。
「ここからもうライバルどんどん出して」
「やっていくんですね」
「そうしていきましょう」
 こうしてだ、実際にだった。
 富山は作品にライバルキャラを出した、それも主人公とは正反対のタイプをだ。すると実際に人気はさらに上がり。
 間後人は富山から原稿を受け取ってだ、彼に満面の笑顔で告げた。
「先生やりましたよ、遂にです」
「まさか」
「そのまさかです、トップですよ」
「作品の人気投票で」
「はい、トップになりました」
「本当にですか?」
「本当です、巻頭カラーも決まりました」
 雑誌のそれにというのだ。
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