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ファイアーエムブレム聖戦の系譜 〜幾多の星達〜
233部分:炎は燃えてその二
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炎は燃えてその二

 手紙が読み終わるや否や諸将は激しく激昂した。使者はその勢いに縮み上がってしまった。
「何考えてんだ、今更一騎打ちを申し込んで来るだと!」
「一体何処まで恥知らずなんだあの男は!シアルフィで完敗したのだからさっさと首でもくくるか毒をあおるかしろ!」
「どうせバーハラの時みたいに騙し討ちにするつもりよ、今度はそうはいかないわ!」
「そうだろうな、マンフロイと組んでクルト王子とアズムール王を暗殺してその罪をバイロン様とシグルド様に着せた奴だ、どうせまたやるに決まってるさ!」
「ほんっとうに頭おかしいんじゃないの!?それも今の自分の立場すらわからないで!」
「ファラ神にすら見放された聖戦士の裏切り者、さっさと引導を渡してやれ!」
「しかも自分が死に追いやったシグルド様のおられたシアルフィの宮城の前で一騎打ちとは厚顔無恥な、刑場で寸刻みにされるのがお似合いだというのにな!」
「よし、皆で切り刻んでやろう。ゆっくりと時間をかけてな!」
 皆怒りと憎しみを爆発させていた。口々にアルヴィスを罵り合う。
 レヴィンはその中で端に位置し諸将とセリスを冷静に見ていた。サイアスは何も語ろうとはしない。アーサーは叔父というより敵としてアルヴィスを認識していた。それは平原においての会談でも同じであったし今も彼を罵っていた。
「セリス様、迷うことはありません。皆の言う通りこの様な不埒な申し出を受けられることはありません。一蹴しあの男を神々の裁きにかけるべきでしょう!」
 オイフェまでもが口に泡を飛ばしセリスに進言する。セリスは一同が一先ず落ち着いたのを見てゆっくりと口を開いた。
「皆、よく聞いてほしい」
 穏やかな口調である。諸将はその声に落ち着きを取り戻し耳を澄ませた。
「僕はこの申し出を受けようと思う」
「!?」
 一同絶句した。驚き呆れてしまった。
「よく聞いてくれ。怒りと憎しみを心の中に収めて」
 一同畏まった。セリスの静かな優しい声に先程の激昂を恥ずかしく思った。
「憎しみは憎しみを生むだけだ。皆はそれを今までの戦いで見てきた筈だ」
 天幕にはセリスの声だけが聞こえる。セリスは言葉を続けた。
「そのうえで僕の話をよく聞いて欲しいんだ。この手紙の最後はヴェルトマー家アルヴィス=フォン=ヴェルトマーとなっているだろう。これは彼が今までの己を捨てて本来の彼に戻ったうえでこう書いたと思うんだ」
 続ける。
「以前の彼ならこうは書かなかった筈だ。今の彼なら奸計を用いず正々堂々と一騎打ちに出て来る。ならば僕もこの申し出を受けたい。そして彼と闘いたい」
 そこまで言うとニコリ、と笑った。
「わかってくれるね。じゃあ明日は入城だ。今日は早く休んで明日に備えよう」
 一同は黙って頷き片膝を折った。セリスはそれを満
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