第七章
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「いいさ」
「そうか、じゃあ俺はこのままな」
「剣道と忍術をか」
「やっていくな」
「本物のをだな」
「そうしていくな、そして将来は」
スティーブは明るく笑ってだ、チャーリーに話した。
「本物の忍者になるぜ」
「ああ、頑張れよ」
チャーリーもそのスティーブにエールを送った、彼はハイスクールを卒業しても剣道と忍術を続け。剣道は五段にまでなってだった。
忍術もだ、師匠の猪鹿から免許皆伝まで貰った。そうして免許皆伝を伝えられた時に師匠にこうも言われた。
「忍者は髪の毛や目の色では決まらない」
「忍術を身に着けているかどうか」
「それでなる、だからな」
「今の俺はですね」
「忍者だ」
それになったというのだ。
「それを胸に生きていってくれ」
「わかりました」
「わしはまだこの道場をやっていく」
「そうされますか」
「そしてこの国にも忍術を伝えていく」
アメリカ、この国にもというのだ。
「本当の忍術をな」
「じゃあ起源とか言っている忍術は」
「あんなものは只のお笑い芸だ」
それに過ぎないとだ、猪鹿はこのことは目を怒らせて言った。
「わしも知っているがな」
「やっぱりそうですか」
「あの様なものは気にしなくていい」
「けれど気にしているんじゃ」
「言うな、しかし君には正しい忍術を伝えた」
「だからですね」
「それを胸に持って生きていってくれ」
「はい、俺は忍者です」
スティーブは笑って師匠に応えた。
「そして出来ることならアメリカにもっと本物の忍術を伝えていきます」
「そうしてくれると有り難い」
「そういうことで」
スティーブは師匠に頷いた、そしてだった。
彼はアメリカにおいて道場を開いて正しい忍術を伝える様になった、それは地味であり人気があるかというとカルト的なものだった。しかし道場をやっていけるだけの収入はありアメリカに正しい忍術を伝えることは出来た。アメリカン忍者として。
アメリカン忍者 完
2016・11・22
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