231部分:決戦その十
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ン等も口々も言う。彼等が最も喜んでいるようだ。
「ノィッシュ達の言う通りです。さああちらへ行きましょう。皆が祝杯を持って待っておりますぞ」
「うん・・・・・・」
いつもは謹厳なオイフェまでもがそう言いセリスを宴の場へと誘った。セリスは内に思うことがあったがそれを秘め宴の席へと向かった。
宴はオイフェが音頭を取り無礼講となった。年長の者達が席を立つと後はいつも通りであった。だがセリスはその中においても黙々と食べ飲むだけであった。
宴の後セリスは解放軍帝国軍を問わずこの会戦で戦死した将兵達を手厚く葬るよう命じた。これは以前よりそうであったが相手が仇敵ヴェルトマーであっただけに世の者を驚かせた。
ーシアルフィ城ー
解放軍大勝利の報はすぐにシアルフィの市民達の間にも広まった。それは瞬く間に歓喜の声と化した。
傷付いた敗残兵である帝国軍なそ最早関係なかった。反乱こそ起こさなかったが街はセリスと解放軍を讃える声で満ち居酒屋は何処も客で溢れかえった。
それは夜でも変わらなかった。市民達の声は夜の街を見たしていた。
その中アルヴィスは宮城の天主に登り一人夜の空を眺めていた。天主の頂上は何も無く殺風景である。
黒というより濃紫に近い夜の空に無数の星達が瞬いている。青い巨星の輝きはさらに強いものとなり周りの星達も皆その光が鮮やかになっていた。
それに対して青い星の対極にある赤い星は今にも消えそうであった。周りの星はもうその殆どが空から消えている。
赤い星が落ちた。そしてそれに続く様に周りに残っていた僅かな星達も次々に落ちていった。
「そうか、それが宿命か。やはりな」
アルヴィスはそう呟くと肩を落とし下へ降りて行った。後には誰も残ってはいなかった。
シアルフィの夜が明け朝が来た。解放軍は二日の休養を取った後でシアルフィ城へと進撃を開始した。同時にアルヴィスも動いた。過去と現在、未来を統べる三柱の女神達はこの時は母である大地と智恵の女神エルダに与えられた自らの職務をどう考えたであろうか。それを知る者は誰もいなかった。
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