229部分:決戦その八
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「ここはシアルフィまでお逃げ下さい。そして再びシアルフィ軍に対し決戦をお挑み下さい。退路は私が確保致します故」
「馬鹿な、卿等を置いて何処へ行くというのだ」
アルヴィスは顔を曇らせて言った。
「・・・・・・それは道です」
アイーダは言った。
「道!?」
「はい、陛下が歩まれる真の道です」
「真の道・・・・・・!?」
その言葉を聞いてアルヴィスはいぶかしんだ。アイーダは言葉を続けた。
「今はヴァルハラに旅立たれる時ではないということです。フェリペ殿、陛下を頼みましたぞ」
「はい」
フェリペと近習の近衛兵達がアルヴィスの周りを固める。そして主を半ば強引に急かした。
最早アルヴィスにはどうする事も出来なかった。こちらに背を向け目の前に迫った解放軍の大軍と対峙するアイーダの方を振り返った。
「・・・・・・死ぬなよ」
言っても無駄なのはわかっていた。しかしそう言うしかなかった。
「勿論です」
アイーダもそう言うしかなかった。近衛兵達が馬を走らせた。アイーダは遠くなっていく蹄の音を聞きながら心の中で言った。
(陛下、おさらばです)
前から緑の髪の男が来る。最後の時が来た、と悟った。
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