228部分:決戦その七
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は目の前にいる敵将に対して言った。
「俺達はこの戦いに勝つ。例え御前が相手でもな」
「それはこちらも同じです」
ラダメスは戦場に似合わぬ丁寧な口調で言葉を返した。
「陛下と帝国の為、私共も勝たねばなりません」
二人はアゼルを通じて旧知の間柄であった。親友であったと言っても良いだろう。
三人で朝まで飲み明かした事もあった。何度も自分達の未来について語り合った。夢を告白し合い希望を言い合った。二人の胸にそんな青春の熱い時が甦っていた。
だがその時はもう戻らない。アゼルはシレジアの土となり今レックスとラダメスは対峙している。青春の幕は今降りようとしている。
「行くぞ」
「はい」
レックスは斧を、ラダメスは拳を構えた。二人は馬を駆った。
銀の戦斧が空を裂き灼熱の炎が戦場を焦がす。その音は飛竜と火竜の咆哮の様であった。強く激しくそれでいて哀しい響きの咆哮であった。
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