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リリなのinボクらの太陽サーガ
サンライト
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「ま、戦いってのは本来そういうものだよな。姉御もビーティーも、その定めからは逃れられなかったんだしさ……」

アギトの言葉を聞き、ジャンゴ達はこれまでの戦いでいなくなった者達の記憶を思い浮かべる。多くの者が戦い、多くの命が散っていった。彼らの死を乗り越えて、ようやく掴んだ勝利。この事件の傷跡はとても深いが、これから頑張ってそれを治していこう……そんな気持ちを抱いた。……その時だった。

「う……うぅ……!」

「な、この声は……!」

聞き覚えのあるうめき声にジャンゴは目を見開き、声の発信源に急ぎ向かう。アーセナルギアの残骸の中で見つけたのは、壊れたサヘラントロプスの胴体が圧し掛かって身動きが取れないスカルフェイスの、瀕死の姿だった。

「……もうすぐ日が昇る。アンデッドであるお前は、その光に焼かれて浄化される。これ以上……苦しまなくて済むよ」

「そう……か……。ようやく……終われる……。……長い……長い夢を見ていた気分だ……」

「お前には文句がたくさんあるし、許せないことだってある。だけど死に逝く者に鞭打つような真似はしたくない。髑髏が土に還る時が来たのなら、僕はただ見送るまでのこと」

「……優しいな、太陽の戦士。ならば一つ、教えてやろう……。日は昇れば、いずれ沈む。沈んだ太陽は、世界を闇で覆いつくす。公爵デュマの言葉だ……」

「公爵デュマ……最後のイモータル」

「言葉の意味は、奴に訊くといい。貴様も、知っておいて……損は無い……」

地平線から太陽の輪郭が見え始め、光が徐々に辺りを照らし出す。その光がスカルフェイスの身体を浄化していき、黒煙を上げながら灰になっていく。

「少佐……私は燃えぬいた!」

その言葉を最後に、スカルフェイスの身体はこの世から完全に消滅した。彼の身体が消えたことで、その分サヘラントロプスの残骸も少し崩れ、ジャンゴの前にちょうど胸部コアの穴が見える形になった。そして……そこにはオリハルコン製の槍が綺麗なまま残っていた。

「これは……わかった、ありがたく受け取っておくよ、ビーティー」

先の砲撃でブレードオブソルが粉々に砕けたこともあり、とりあえず剣として使えるようにしてもらおうかと考えながら、ビーティーと共に在り続けたその槍を引き抜いたジャンゴは、朝日を背になのは達の下へ歩いて行った。

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