225部分:決戦その四
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決戦その四
「いよいよだな」
解放軍の方へ飛んで行く天馬を見ながら帝国軍の兵士が言った。満心の笑みである。
「ああ。これでシアルフィの奴等も終わりだ。星に焼き尽くされちまえ」
同僚の兵士が相槌を打つ。自軍の戦術に絶対の自信を持っている。
「さて、火矢が放たれた時こそ俺達の本当の攻撃が始まるぜ。奴等今のうちに神様にお祈りでもしといた方がいいんじゃねえのか?」
メテオを避ける為帝国軍が攻撃の手を休めても解放軍は退き続けている。帝国軍の将兵達はそんな彼等を甘く見ていた。
「あんな臆病な連中が今までよく連戦連勝でこれたな。ひょっとしてまぐれだったんじゃねえか?」
「まあそれも今日この時で終わりだな。俺達炎騎士団が本当の強さってやつを教えてやるぜ」
解放軍をせせら笑いながら見ている。その時だった。
それまで退いてばかりであった解放軍が前に動いてきた。凄まじい勢いで突進してくる。
「へっ、今頃遅いぜ。流れ星でも受けてくたばりな」
目前まで迫って来た敵兵に対しても余裕である。笑ってさえいる。あと数秒でメテオが降り注ぐ、それから目の前の敵を掃討すれば良いだけだからだ。
しかしそうはならなかった。星は降らなかった。
戸惑う帝国軍に対し解放軍の将兵達はそのまま突っ込んで来る。その突撃が凄まじい衝撃となり帝国軍を撃った。
「さあ、覚悟しなさい!」
最初に斬り込んで来たのはラクチェだった。左右の帝国兵達を次々と斬り倒していく。
それを追い掛けるようにスカサハとロドルバン、ラドネイ達が続く。その後ろから兵士達が行く。
「これでも・・・・・・喰らいなっ!」
ミランダのトローンが重厚な鎧に身を包んだ敵の重装歩兵を撃った。盾が粉々に砕け散り雷撃は鎧をも刺し貫いた。
その横をパティとディジーが駆ける。そして左右に跳ぶと宙を舞いながら敵兵を斬っていく。それはまるで死を告げる天使であった。
「どういう事だ、何故メテオが放たれぬ!?」
アルヴィスが思わず声を上ずらせた。メテオが降らぬことにより今まで有利に動いていた戦局が解放軍に傾いていたからだ。
左右から次々と伝令の騎士達が来る。皆傷を負い軍服はズタズタになっている。
「申し上げます、炎魔道師団後方より敵竜騎士団及び天馬騎士団に攻撃を受けメテオの斉射が出来ません、至急援軍をお願いします!」
「報告します、右より敵騎士団が攻撃を仕掛けて来ております、持ち堪えられません!」
「我が軍の左軍、敵軍の突撃を受けました。大混乱に陥っております!」
「申し訳ありません、前方はもう持ち堪えられません、敵軍が第二陣に達するのも時間の問題かと思われます!」
「なっ・・・・・・!」
アルヴィスは今ようやく自らと己が率いる軍が解放軍の術中に陥った事に気付いた。そしてそれをも
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