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ファイアーエムブレム聖戦の系譜 〜幾多の星達〜
224部分:決戦その三
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決戦その三

「よし、ザッカーリア将軍に伝えよ。合図があり次第天馬騎士が打ち上げた目標へメテオを斉射せよと」
「ハッ」
「フォード将軍には火矢の用意、他の将軍達には火矢が上がったならばメテオに巻き込まれないよう軍を動かすよう伝えよ。そしてメテオの斉射後は全軍総攻撃だ。親衛隊も全軍を投入する、それで戦いを一気に決める」
「ハッ」
「了解しました」
 矢次早に命令を出す。伝令の騎士達が次々に飛ぶ。
「親衛隊と共に私も行く。勝利を我等が手に収めるぞ!」
「ハッ!」
 騎士達が一斉に敬礼する。それと同時に帝国軍の動きが燃え上がる炎からその炎の化身である地獄に巣食う魔物となった。
「帝国の動きが活発になってきたね」
「はい。そろそろ来ますな」
 帝国軍の動きの変化はすぐに解放軍にも伝わった。本陣のセリスとオイフェにもそれが見えていた。
「左右の竜騎士と天馬騎士に伝えてくれ。もうすぐ出番だと」
「はい」
「騎士団と歩兵達はそのまま動いてくれ。だが敵にそれを悟られぬように」
「ハッ」
 オイフェが指令を出す。その度に伝令の馬が駆けて行く。
 彼は向き直るとセリスに対しシアルフィ式の敬礼をとった。そして言った。
「セリス様、遂に我がシアルフィの忌まわしき反逆者の汚名が晴れる時が来ました。このオイフェ、セリス様に今よりその時を御見せ致しましょう」
「オイフェ・・・・・・」
「かってシグルド様に己が罪を着せ皇帝となったアルヴィス・・・・・・。今日こそその罪を万刃の下で裁かれるでしょう」
「そうか、遂に・・・・・・」
 そう言ったがセリスはアルヴィスをとりわけ憎いとは思わなかった。そして彼はここでは倒れないと思っていた。
 これは不思議であった。何故か彼を憎いとは思えなかったのだ。彼は自らの囲むな、そして人間の力では如何ともし難い残酷な運命に翻弄されているだけではないかと考えていた。
 だが今はその考えを打ち消した。この戦いに勝たねば大陸の未来は無いことはわかっていたからだ。
「オイフェ」
 彼は声をかけた。
「はい」
 彼は答えた。
「その時になったら僕等も行こう。そして大陸に光を取り戻そう」
「御意に」
 一陣の風が吹いた。その風の香りは戦場のものとは思えない程清らかで涼しげであった。
 戦局は完全に帝国軍の方に傾いていた。解放軍は押されるがままであり三角の陣は今は三日月となっていた。
 為す術も無く退いていく解放軍を見て帝国軍の将兵達は活気づいていた。次々に攻撃を仕掛ける。
 だがその様な自軍に有利な戦局であってもアルヴィスの気は晴れなかった。退いているというのに解放軍の損害は殆どなかったからだ。
 しかし戦場においては一瞬の逡巡が命取りになることを彼はよくわかっていた。すぐに指示を出した。
 
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