第四幕その八
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「その為のものです」
「そうですか」
「はい、ですから」
それでというのです。
「戦いましても」
「その戦いは、ですね」
「人を守る為のものです」
「木樵さんと同じですね」
神宝は大尉の主であり親友でもあるこの人のことを思い出しました、ドロシーやかかしと並ぶオズの国きっての名士でもあるこの人のことを。
「あの人の斧と」
「武器は何の為にあるのか」
カルロスも大尉のお話を聞いて言いました。
「自分、そしてお友達を守るものですか」
「だからいざという時以外は手にしない」
ナターシャは今は収められているサーベルを見ています。
「そういうことですね」
「武器はみだりに手にしない」
恵梨香も言います。
「そういうことですね」
「そうです、武器は鍛錬では振りますが普段はです」
大尉は子供達にも穏やかで丁寧な口調でお話します。
「手にしないものです」
「そういうものですね」
「はい、守る為に」
自分自身、そしておお友達をです。
「その為のものですから」
「今もですね」
「抜きません」
手にもしていません、大尉は今は。
「このことは絶対に」
「それでは」
「はい、参りましょう」
何かあった時の心構えをしたうえでとです、大尉は皆に行ってそのうえで先頭に立って前に進んでいきます。
黄色い煉瓦の道を進んでいくとです、ふとでした。
目の前に巨大な生きものがいました、それはキリンの身体にカバの大きな頭があるとても大きな生きものでした。模様も麒麟のものです。
その生きものを見てです、ジョージは思わず身構えてしまいました。
「あれは」
「カバキリンだよ」
「そうだよね」
ドロシーの横にいるトトに応えました。
「あの生きものは」
「そうだよ」
「凄く凶暴なんじゃ」
「いや、それは昔のお話でね」
「今はなんだ」
「大人しいから」
だからというのです。
「安心してね」
「だといいけれど」
「あれは姿が見えない場所でのことだしね」
そのカバキリンが凶暴だった場所はです。
「今はね」
「特になんだ」
「怖くないから」
「大人しいんだ」
「そう、安心してね」
「だといいけれど」
「はい、トトの言う通りです」
大尉もジョージ達に微笑んで保証しました。
「ですから」
「安心してですね」
「挨拶をすればいいです」
「ならいいですが」
「けれどね」
首を傾げさせてです、ここでこんなことを言ったドロシーでした。
「どうしてここにカバキリンがいるのかしら」
「そういえばここから少し離れた平原にいるよね」
トトもドロシーに応えます。
「この辺りのカバキリンは」
「そうよね」
「しかも煉瓦の道を進んできてるけれど」
「カバキリンはいつも
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