ホロウエリアで
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無いようにと制限を決めているので危険無いだろう。
それでいて歩いている時間は他愛の無い話をつづけ、モンスターがいれば戦闘を。
まるで何処かへ向かいながらも興味を引かれた物に近寄り、時間を浪費する…謂わばウインドウショッピングのように見えなくもない。つまりそれは――
「これってデートじゃね?」
「馬鹿なの?死ねば?」
即答で返されたでござる。
まぁ冗談で言っただけなのでダメージは無いが、ここまで来るとこの子は将来、交際できる異性がいるのか心配になってくる。
まぁそう言う性癖持ってるやつ探せば早い話だろうか。
「ねぇ、あんた今腹の立つこと考えてない?」
「成る程、エスパーか」
「ふんっ」
「ぐおっ!?」
嗚呼…本当に。
「次考えたらナイフで刺すから」
「すんません…」
――爆発してしまえ。
「ねぇ…」
「どした?」
時刻は6時16分。
徐々に暗くなっていく時間帯だ。まぁ終始薄暗いホロウエリアには関係の無い話だが。
そんなホロウエリアの片隅で、モンスターが余り寄ってこない場所に座ったシノンが話を振ってきた。
「私…あんたのところの私は、その、あの事を…」
「…ああ、あの件についてなら、一応ながら克服してる」
「どうして…どうやって克服したの?今だって指をピストルの形に出来ないくらい怖いのに…」
「そうだなぁ…」
俺は何か、特別なことをしていたのだろうか?
俺が朝田詩乃と会ったのは裏路地でカツアゲされているところだし、その頃にはGGOもやってた。
現実で模型の銃を見ただけで吐きそうになるなんてトラウマを持っていることを知ったのも、大会の最中だったわけだし。
後日会った時にはケロッとしてたよな…。
「わからん…俺はなにもしてないから」
「…そう」
「俺が詩乃と会ったのは、カツアゲ去れてたところを丁度見かけた時だ。ただこれは俺の世界の詩乃であって、この世界の詩乃じゃない。
だから同じことが起きるって言う確信がないんだよ」
平行世界。もしかしたら会ったかもしれないifの世界。
今を元気付けるためだけに、大丈夫なんて無責任なことは言えないのだ。
「その…そっちの私は、どんな感じなの?」
「……………暴君…゛ピピッ゛…ん?」
質問に答えた瞬間、メールが来た。
送信者はシノン。目の前のシノンがなにもしてないのだから、俺の世界のシノンと言うことだ。
目の前のシノンに断りをいれて、メールを開く。
『帰ってきたら覚えてなさいよ』
「…」
「どうしたのよ?」
「俺、帰ったら説教受けるんだ…」
「は?」
どうやら俺は、向こうで粗相を犯していたらしい。
気落ちした俺を、どこかジト目で見てくるシノンに目をそらし、さぁ
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