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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第552話】
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「ふむ」


 そう一言呟くウィステリアに、僅かに首を傾げた会長。


「……やはり彼の実力を直接見てもらう方が良いのかもしれないな、これが」

「え、えぇ。 ですがIS学園への見学を兼ねても、模擬戦の観戦許可は――」

「度重なる襲撃によって、簡単には無理だということだな」

「えぇ……」


 深いため息を吐く会長に、ウィステリアは僅かに頷くと――。


「……ならば学園のイベントの時に視察に向かえばいい」

「……イベント、ですか?」

「あぁ。 ……IS学園は文化祭以外にも個々に大会などを突発的に設ける傾向がある、そのタイミングに視察を入れればいい」


 何の気なしにそう告げるウィステリアに、会長は呆れながら呟いた。


「突発的なイベントに、どうやって視察を捩じ込めばいいのか……」


 当たり前の話だった、イベント以外の日に視察をしても授業風景を遠巻きに見れるだけな上に、肝心の有坂ヒルトの実力が見れなければ意味がないのだ。

 だがウィステリアは自信があるのかこう呟く。


「来週の頭、IS学園は体育祭――否、運動会を開くらしい」

「え?」

「無論信じる信じないは君が判断するといい。 ……では私はそろそろ退散するとしよう」


 その言葉と共に身体は小さな光を放ち、粒子片となって散っていった。

 忽然と姿を消したウィステリアに目を丸くする会長だった。

 信じる信じないは私の自由――。

 会議室に備わった電話を取ると、会長は自身の秘書に連絡を取った。

 世界は僅かだが確実に変化の兆しを見せていた。
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