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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第552話】
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っきりだったという事実がある。

 そんなシャルはラウラやセシリアと食事をしていた、話題は勿論運動会の事だろう。


「願い、かぁ……。 ……うーん……デート……とか? でも……私が誘えば……うぅん……」


 星空を眺めながら悩む未来だった。

 一方寮の廊下、ヒルトは足取り軽やかに自販機に向かっていた。

 今日の放送を聞いてヒルト自身、願いに関するモチベーションが上がっているからだ。


「何でも願いが……か」


 例えば一週間まるっとゆっくり過ごすとか――色々願いを思案しながら自販機に向かう。


「ヒルト」

「え?」


 急に名前を呼ばれ、声のした方へと反射的に振り向くとそこに居たのはセラだった。


「セラか、どうしたんだ?」

「ううん、ヒルトを見かけたから声を掛けただけ」


 手を後ろで組み、覗き込む様に見上げてきたセラに、指で頬をかきながら視線を明後日の方向へと向けた。


「そうなんだ」

「うん」


 小さく頷くと自然と隣へやって来るセラ、褐色肌だがどちらかというと薄く小麦色に日焼けした感じの彼女は、パッと見では黒人っぽく見えなかった。

 小銭を取りだし、ジュースを買おうとする俺をただただジィーッと見つめてくるセラ。


「……見られてると気になるが、何か顔についてるか?」

「ううん。 ……ヒルトを見るの、私好きだから」

「え?」


 一瞬ドキッとするも、平静を装いながら小銭を自販機に投入した。

 自販機の押しボタンに明かりが点る――何を選ぼうかと悩んでいると。


「えい」

「ぇ――ああっ!?」


 僅かに悪戯っぽく微笑むセラは、迷うことなくコーヒーのボタンを押した。

 まさか勝手に押すとは思わなかった俺はただただセラを唖然と見ていると――。


「驚いた? ……フフッ、ヒルトのそんな表情も好き」

「え、えと……?」

「……はい、ミルク入ってるから苦くないはず。 おやすみなさい」


 自販機からコーヒーを取り出し、俺に手渡すとその場を後にするセラ。

 ポカンとしつつも、俺は暫くその場に立ち尽くしたままだった。

 同時刻――。

 場所はとある会議室、投影ディスプレイに映し出されていたのは織斑一夏及び有坂ヒルトのパーソナルデータだった。

 円卓の周囲には椅子が配置されているものの、座っているのは女性会長一人だけだった。

 だが向かい側の壁に凭れ掛かっている一人の男――ウィステリア・ミストだった。


「……織斑一夏君の仮の代表候補生昇格に関して反対するものは居ませんが、やはり有坂ヒルト君に関しては反対多数……です」


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