第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#48
FAREWELL CAUSATION[〜Phase Act・3 Three Blaze〜
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上回るため装甲の表面が鎔け始める。
だが、それでも、獣の王はただ一人、
それが天空を征する神の化身だったとしても、
一度でも尾を垂れた獣はもう獣じゃない、獣は死ぬまで屈しない。
『AAッ! GAッ! GUッ! GI!! GIGIGIGIッッッッ!!!!』
理性なき獣の脳裏に、一人の 『男』 の姿がまざまざと浮かんだ。
獣は誰にも屈しない、だが、己の本能が主と定めた者ならば話は別。
求める者は絶対の強者、ごく僅かな勝機の可能性すらなく、
その気になれば死の認識すらなく己を屠れる者、
微塵の恐怖をも持たぬ者。
余計な打算や私情を挟まない分ソラトの本能は純粋だった、
そしてソレはシャナと同じように未曽有の潜在力を彼から引き出した。
一つの覚悟が、信念が、
ものの数秒で数十年以上の精神の成長を促すように、
誰かを想うコトに正義も悪もないのだ。
『WWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWLYYYYYYYYYYYYY
YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
―――――――――――――――――――――ッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!』
そして、此度はその存在が完全に乗り移った、
空間を皹割る背景にその男の幻像が映るほどだった。
ヴァグォンンンンンンッッッッッッッ!!!!!!!
その執念が信念を勝ったか、真獣の戦いは
血染めの獅子が炎の神鳥を八つ裂きにして決着した。
退きもせず真正面から熱塊を受け続けたソラト、
存在力に拠って強固に凝結しているとはいえ甲冑の継ぎ目は無数に有る、
その部分にだけ集束して殺傷力を送り込めば
他より脆い分だけ全身が弾け飛ぶ。
炎の化身といえど現世に存在する以上実体を持ったモノ、
その領域を明確に認識したソラトの本能が勝利した。
頸部を噛み砕こうとせず力を増幅するため軋らせていたのは
炎熱で内部が灼けるのを防ぐためである。
その代償は惨憺足るもの、全身が焼け焦げ胸部は融解し
炎熱の侵蝕を受けた部分は常温の熱疲労でも外殻が剥離する程である。
だが、美しい。
瀟洒なリボンとフリルで包まれた人形よりも、
猛威と惨苦で覆われた獣像の方が遥かに視る者の心を打つ。
『Guuu……Lululu……』
劫火にその身を灼かれながらも誇り高き獅子は倒れる事を拒んだ。
片足に王としての矜持、そしてもう片方の足には別のナニカが宿っているのか、
譬え如何なるスタンド能力で在ろうとも、この獅子を屈服させるのは不可能に想える。
コレで勝敗は決したか? 焼気漂う視線の先には裸同然の少女が一人在るのみ。
『正 義』 の効果も消えていない、
鳳鎧の庇護が無くな
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