第三十三話 落ちる薔薇その九
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「ですから」
「それをですね」
「はい、太子からの差し入れです」
オズワルド公はこのことも話した。
「ですから」
「それをですね」
「はい、お飲み下さい」
是非にというのだ。
「そしてお元気になって下さい」
「それでは」
「そしてです」
オズワルド公はマイラにさらに話した。
「再びです」
「政治の場にですね」
「出られて下さい」
「はい」
マイラは答えた、だが。
その表情は晴れない、それで今度は司教が話した。
「お気を確かにです」
「持ってですか」
「お薬を飲まれよく休まれれば」
「必ずでえすね」
「よくなります」
こう言って励ますのだった。
「ですから」
「そうですね、ここは」
「太子が贈られたお薬を飲まれ」
「そしてよく休む」
「はい、それでは」
「そうされて下さい」
こう言って励ますのだった。
「神にもです」
「祈る」
「そうされて下さい」
「それでは」
「あと食べるものもです」
それもというのだ。
「よくお召し上がりを」
「そちらもですね」
「オートミールをお持ちしています」
こう言うとだ、実際にだった。
侍女が出て来た、その手にはオートミールが入った鍋がある。司教はマイラの枕元の傍のテーブルにオートミールを置かせたうえでまた話した。
「こちらを」
「それも持って来てくれたのですか」
「そうです、お薬もいいですが」
「食べることもですね」
「必要です」
「ミルクもたっぷりと入っています」
侍女もマイラに言ってきた。
「ですから」
「それを食べて」
「どうかお元気になられて下さい」
「そうさせてもらいます」
マイラはこう応えた、だが。
床から身体を起こすのにも時間がかかる、苦労してやっと起き上がる。
そのうえで半身を起こした状態でオートミールを受け取りスプーンで食べる、その食べるのはかなり襲い。
しかしだ、食欲がないのを必死に我慢して食べて二人の側近と侍女に言った。
「全て召し上がります」
「そうされますか」
「そのオートミールを」
「はい、そして」
そのうえでとだ、マイラはさらに言った。
「後でお薬も」
「飲まれて下さい」
「そちらも是非」
オズワルト公も司教も言う。
「そしてです」
「お元気になられて下さい」
「しっかりと召し上がりお薬を飲まれ休まれれば」
「必ず体調は戻ります」
「ですから」
「どうか」
「そうします」
こう応えてだ、そしてだった。
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