ターボ婆さん
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そう呟いて、奉は顎辺りに手を添えた。
「害があるのか?」
「いや、あれ自体はただ走るだけのものだ。まずいのは、あの眼鏡女が『未来視』の持ち主ってとこよ」
ターボ婆さんは、津波の予兆を捉えているのかもしれないねぇ。
奉は恐ろしい事を云い始めた。
静流さんがターボ婆さんをよく見かけるのは只の霊感ではなく、忌まわしい過去の出来事を鏡に、未来の災いを写し込んでいるのかもしれない、というのだ。
「この間の出来事や『じゅごん』が増えていることも、何らかの災いを奴らが嗅ぎつけているからかもな」
背骨がじんと痺れるような悪寒が走った。俺は顔を隠すことすら忘れ、峠から見下ろせる静かな海を、ただ睨み続けていた。
「この事は、静流には云うな。…びびらせるだけで何も解決しないからねぇ」
奉が聞こえるか聞こえないかの小声で呟いた。…返事はしなかった。
こいつは偶に、優しいところもあるのだ。
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