暁 〜小説投稿サイト〜
霊群の杜
ターボ婆さん
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
そう呟いて、奉は顎辺りに手を添えた。
「害があるのか?」
「いや、あれ自体はただ走るだけのものだ。まずいのは、あの眼鏡女が『未来視』の持ち主ってとこよ」


ターボ婆さんは、津波の予兆を捉えているのかもしれないねぇ。


奉は恐ろしい事を云い始めた。
静流さんがターボ婆さんをよく見かけるのは只の霊感ではなく、忌まわしい過去の出来事を鏡に、未来の災いを写し込んでいるのかもしれない、というのだ。
「この間の出来事や『じゅごん』が増えていることも、何らかの災いを奴らが嗅ぎつけているからかもな」
背骨がじんと痺れるような悪寒が走った。俺は顔を隠すことすら忘れ、峠から見下ろせる静かな海を、ただ睨み続けていた。
「この事は、静流には云うな。…びびらせるだけで何も解決しないからねぇ」
奉が聞こえるか聞こえないかの小声で呟いた。…返事はしなかった。


こいつは偶に、優しいところもあるのだ。

<i6685|11255>
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ