暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第3章:再会、繋がる絆
第91話「祈祷顕現」
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つ事もできない。
 万事休す...誰もがそう思っていた。





「.....させるかよ。」

 ....ただ一人を除いて。

「優輝、君...?」

「...任せな。」

 優輝が司の横に立ち、安心させるように微笑みながらそういう。

「...シャル、無理させる事になるが...構わないな?」

〈...はい。マイスターに任せます。〉

「オーケー。なら、存分にやってやるか!」

Bogen form(ボーゲンフォルム)

 シャルを弓の形に変え、それに神刀・導標を鞘から抜き、矢のように番える。
 元々創造魔法によって創り出した刀なため、みるみる形状が矢へと変わる。

 ...そして、アンラ・マンユの魔力がついに砲撃となって放たれた。

「...道を拓きて、標となれ!“今こそ、道を拓く時(神命一矢)”!!」

 一筋の閃光が、優輝の弓から放たれる。
 同時に、弓はボロボロになり、シャルは強制的にスリープモードに入る。
 また、優輝の回復しかけていた腕も再び焼け爛れ、簡単には回復できなくなる。

     カッ―――!!

「魔力の砲撃に、穴が...!」

 ...その代償による成果は、絶体絶命の状況を書き換えた。
 アンラ・マンユから放たれた極太の砲撃の中心に穴が開き、台風の目のようになる。
 アースラはその穴を通るように砲撃に当たらずに済む。

 ...だが、それはほんの僅かな時間だけ。
 形を持たない魔力の砲撃であれば、すぐに開けられた穴は閉じるだろう。



   ―――....尤も...。



「行け....!(聖司)!!」

「っ....!」



   ―――その僅かな時間で、全てが終わる事になると、優輝は確信していた。







「祈祷顕現...!“天翔ける、巫女の祈り(プレイヤー・メニフェステイション)”!!」

 光が、全てを呑み込む。
 司が発動させた魔法は、全ての“闇”を打ち消すように広がり、優しく包み込む。
 アースラを消し去ろうとする砲撃をも、その光を前に掻き消えた。

 其れは、まさに“祈り”そのもの。
 安心を、平和を、平穏を願う、人々の祈りの....その極み。
 “闇”を、“絶望”を祓うために特化したその祈りは、アンラ・マンユすら打ち消す。
 ジュエルシードも全ての力を使い、“負”の集合体を完全に消し去ったのだ。












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