暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第3章:再会、繋がる絆
第91話「祈祷顕現」
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さん!リニスさん!悪いけど...!」

 鎖を創造し、優輝は呼んだ者を引き寄せ、アースラの前に転移する。

「第三波...シールドの再展開は間に合わない...!全力で防がないと...!」

「くっ...全員、疲弊してるのに...!」

 魔力や霊力を振り絞り、全員が障壁を展開する。
 さらに、優輝と椿、葵、リニスはもう一つ術式を展開し、砲撃魔法も放つ。

「ぁあああああああああああっ!!」

 そして、第三波の“闇”の衝撃波が襲った。







「優輝君たちの障壁と第三波が拮抗!...でも、これじゃあ...!」

「っ...どうすれば...!」

 戦力は出し尽くし、ほぼ全員が疲弊しきっている。
 そんな状態では、決して“勝てる”とは思えない。

「シュライン...!」

〈“負”のエネルギーが集まり、再び現れた...という事ですね。...だとすれば、並の人間では手に負えません...。〉

「そんな...!」

 いくら優輝が並外れた強さを持っているとはいえ、激戦の後だ。
 力が落ちている今、“並”の範疇に収まってしまっている。

〈...神降し状態の優輝様であれば、倒す事も可能でしたが....。〉

「っ.....。」

 打つ手なし。そう思って、司は俯く。

〈...マスター。〉

「....何、かな...?」

 “自分を助けに来たがために、こんな事になった。”
 そう考えてしまう司に、シュラインが声を掛ける。

〈...“死”を、覚悟できますか?〉

「...どういうこと?」

〈貴女が覚悟を決めれば、アンラ・マンユは消滅させる事ができます。ですが、それは他の方々の協力の下に成り立つ話です。おまけに、それでも五分五分な上、貴女は―――〉

「分かった。どうすればいいの?」

 シュラインの言葉を遮るように、司は了承する。

「皆だって、私を助けるために、命を賭けたの。だったら、私だって相応の覚悟くらい、見せなきゃ。」

〈....そうですか。ですが、理解しておいてください。例えアンラ・マンユを滅した所で、貴女は....。〉

 続けられたシュラインの言葉に、司は黙って頷いた。
 ...それすらも、覚悟しているかのように。







「ぐっ....はぁ....はぁ....!」

「まずい...ね...!」

 全員が膝をつき、疲弊しきっている。
 ギリギリ第三波を防ぐ事は成功した...が、そこで体力は尽きてしまった。

「...その刀は使えないのですか?」

「使えるには使える。...けど、後一太刀が限度だ。それ以上は、形が保てなくなる。それに、たった一撃じゃあ、アレは消せない。」

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