Track 4 ともに目指す場所
活動日誌21 にこぷり ・ じょしどう! 2 『にこ襲来』
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めていたんだ?」
全員に頭を下げて私達の前に座る彼女達。そんな美沙に声をかけていた私。
彼女がスクールアイドルをやっているなんて知らなかった。まぁ、この段階では違う可能性もあるんだけどさ。まだ紹介されていないんだし。
「う、うん……穂乃果さん達のライブを一緒に見ていたから、私も憧れていたんだよね?」
「そっか……」
でも、すぐに彼女が言葉を紡いでいたんで、どうやら合っていたみたい。
私が相槌を打つと、少し慌てた表情で――
「べ、別に雪穂達とやりたくないからじゃないよ? 元々、UTX学院を目指していたんだし……」
「知っているよぉ」
こんなことを言ってきた。当然、私も亜里沙も知っていたし、何とも思っていない。
亜里沙が笑顔で答えると、ホッとしたような顔をする彼女。
「だけどね……」
「うん?」
「何となくなんだけど……雪穂達と競ってみたかったのかも? ライバルとして……」
「そっかぁ……」
「うん……今は今年の新入生の二人とユニットを組んでいるの」
そんな風に、力強い瞳で宣言していたのだった。
『ライバル』
一緒に活動する亜里沙や涼風も、本当の意味ではライバルではあるけれど。やっぱり仲間だし、助け合うことの方が大きいと思う。
だけど仲間ではなく、ライバルとして目の前に立つ彼女達を見て、嬉しさが湧いていたのかも知れない。
同じスタートラインに立ち、互いを切磋琢磨していける存在。
お姉ちゃん達にとってのツバサさん達のような存在。それは憧れていたものなのだと思う。
確かにお姉ちゃん達は私達の目標だけど、ライバルなんて呼べないもん。今はまだ、だけどね?
いつかは、そう呼べるといいなって思っているんだけど。今はまだ呼べない。
だから、こうして私達と同じように、お姉ちゃん達やツバサさん達を目標に。
お互いを高めあえるライバルが身近にいることが、何より励みになるんだよ。凄く心強いんだよ。
「負けないよぉ!」
「……こっちこそ!」
だから私は満面の笑みで答える。そんな私に満面の笑みで答える彼女。同じように満面の笑みを相手に送っていた4人。
新人スクールアイドル6人の無言で交わす挨拶を、先輩6人は優しく微笑みながら見守るのだった。
「っと……他のメンバーも自己紹介をした方がいいと思うのだが?」
「確かにそうですね?」
笑顔を送り続けていた私達に、英玲奈さんが話しかけてきた。
その言葉に海未さんも賛同している。
確かに今の紹介では、私と亜里沙と美沙にしかわからない話だ。なのに新人6人は旧知の仲だと言わんばかりの雰囲気なのだった。
実際に、私と亜里沙は美沙以外の他の2人を知らないし、涼風は誰も知らない。向こうも同じよう
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