第二十二話 容疑者X
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コが一人で下層に戻るのが怖いと言うので、近場の宿へと送った。
その後、現場にいたプレイヤーたちに注意喚起を行い、知り合いだった攻略組の人に情報屋へこの一件を伝えてもらえるよう頼むと、キリトとアスナはとりあえずその場を離れた。
「さて、次はどうする」
「まずは手持ちの証拠品を検証しましょう。動機がわからない分、こちらに頼るしかないわけだし」
「となると、《鑑定》スキル持ちが必要だよなぁ。おまえ………、あげてるわけないか」
「もちろん、君もね。………ていうか、その《おまえ》っていうのやめてくれない?」
「……へ?」
「何度かコンビ組んでたのに、《おまえ》じゃヨソヨソしいのよ。も、文句あるっ?」
「ゼ、ゼンゼンナイデス」
両手を挙げ、ふるふるとキリトは首を振りながら、「唐突だなぁ」と思っていた。
ここ最近は滅多に顔をあわせることもなく、あったとしても攻略会議の場であって、そこではだいたい議論が白熱してしまい、友人である褐色の大男からは「おまえら仲悪いのか?」と言われてしまう始末だ。
加えてつい先日、その議論が白熱しすぎたせいでデュエルにまで発展した相手だ。急にどうしたと思っても仕方のないことではないだろうか。
けれど、アスナの異様な迫力に逆らうような気概などこれっぽっちもなく。
ーーーなぜか頬に赤みを帯びていることに関しては一切触れずーーー
「えっと、じゃあ……《貴女》?」
「………」
「《副団長殿》?」
「………………」
「《閃光様》?」
「………ハァ。普通に《アスナ》でいいわよ。前もそう呼んでたでしょ」
「り、了解……」
ボスクラスのモンスターも真っ青の、灼熱が如きレーザーのような視線にキリトは震えながら頷く。
「そ、それで《鑑定》スキルの話だけど、フレンドに当てはあるか?」
これ以上なにを言われるか分かったものではないので、慌ててズレ始めていた話を軌道修正させた。
「う〜ん………鍛冶屋の知り合いで持ってる子はいるけど、今の時間は忙しいしムリかな」
言われて、キリトは目の端に表示されている時刻を確認した。
日も暮れ夜のとばりが降りてきたこの時間、鍛冶屋を営むプレイヤーなら、ダンジョンから帰ってきたプレイヤーたちの武器の整備で手が空かないだろう。
「ならオレの雑貨屋の知り合いに頼むか」
言いながらシステムメニューを開き、フレンド欄にて所在を確認する。
ついでにそのままフレンド欄をスクロールし、目当ての名前を見つけてタップした。
「エギルさんのこと?………雑貨屋さんでもこの時間は忙しいんじゃない?」
「知らん」
忙しかろうがそうでなかろうが問答無用だ。
端的な内容のメッセージを書き終え送信。ア
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