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ソードアート・オンライン 瑠璃色を持つ者たち
第二十二話 容疑者X
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た。

落ち合うはずだった相手ではないことにもある。けれど一番はこの時間だ。要件のないものが訪れていい時間ではない。ましてや、この宿は新しくとった宿。この場所を知っているのはわずか数名。

心臓が早鐘を打つのがわかる。たとえ仮初めの心臓だとしても、この緊張は本物だ。

謎の訪問者。十中八九が要件ーー計画を知って来ている者。
残り一、二の可能性を心の奥底に封じ込め、毅然とした態度でドアの前に立つ。

「どなた、ですか……?」

震えるノド。怯えと焦りの混じった声。
演技と本心があるからこそ出たものだ。

果たして、相手の反応はーー


「はて、誰、と来ましたか。
ええ、ええ。ならば名乗りましょうぞ。
しかして我が名は高尚なものでもありませぬ。
そう、わたしはーー
しがないただの、紳士です」













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