第二十二話 容疑者X
[12/12]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
た。
落ち合うはずだった相手ではないことにもある。けれど一番はこの時間だ。要件のないものが訪れていい時間ではない。ましてや、この宿は新しくとった宿。この場所を知っているのはわずか数名。
心臓が早鐘を打つのがわかる。たとえ仮初めの心臓だとしても、この緊張は本物だ。
謎の訪問者。十中八九が要件ーー計画を知って来ている者。
残り一、二の可能性を心の奥底に封じ込め、毅然とした態度でドアの前に立つ。
「どなた、ですか……?」
震えるノド。怯えと焦りの混じった声。
演技と本心があるからこそ出たものだ。
果たして、相手の反応はーー
「はて、誰、と来ましたか。
ええ、ええ。ならば名乗りましょうぞ。
しかして我が名は高尚なものでもありませぬ。
そう、わたしはーー
しがないただの、紳士です」
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ