死にたくないので
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悪魔法の後遺症なのかもしれない。俺と彼がこの魔法を修得した時期は一緒だし、症状が出始めた日も一緒。なおさらその可能性が高まったってところかな?
「調べてみるから、腕だしな」
血液から何かわからないかと注射器を取り出すポーリュシカさん。痛いのは嫌だなぁ、と思ったものの、ここは我慢するしかないか。
それから数時間後、ポーリュシカさんから様々な検査を受けたことにより、ようやく原因が確定したのであった。
「二人の考えていた通り、滅悪魔法を急速に覚えたことが原因だね」
「やっぱり・・・」
俺の場合は敵から実験として埋め込まれ、グレイさんはお父さんから引き継いだ魔法。それがこの原因となっているのだけれど、何か悪い点はあるのかな?とりあえず見栄えが気になるのが一番の問題なんだけど。
「この状態が長く続くと、心まで悪に染まっていく可能性があるよ」
「?どういうことだ?」
彼女の言った言葉の意味がどういうことなのかよくわからなかった青年が眉間にシワを寄せる。彼女はその疑問を晴らすために詳しく説明をしてくれる。
「滅悪魔法は悪魔を倒すための魔法なんだろ?たぶんそれを連発すると体にも心にも大きな影響を及ぼすんだろうね」
「心にも?」
体に悪影響なのは以前言われたから承知していたけど、心まで影響するとは思っていなかった。でも考えていればそうかも、と納得してしまう。この魔法を使っている時はどこか強気でいられた。それが魔法の副作用なら、心まで悪に染まりかけていたというのは納得できる。
「治せるか?」
「あんたたちからもらった血液で血清が作れるはずだよ。ただ時間がかかるから、今日はひとまず帰りな。二人とも待ってるのがいるだろうしね」
それを言われて表情が曇る。このことをウェンディに説明しなきゃいけないとは・・・気が引けるなぁ・・・
「血清も作っておくけど、これは心に影響されるところが大きいからね。あんたたちもしっかりしておくんだよ」
言われなくても、この魔法は封印して体に負担をかけないようにと決めていたんだ。心の方はこれから気を付けるとして、一度落ち着けないと何ともならない。
「もしかしたらしばらく通ってもらうかもしれないけど、治すためなんだからサボるんじゃないよ!!」
「わかってるよ」
「もちろんです!!」
怒鳴り気味にそう言われた俺たちは帰路へと付くことにした。ただ、グレイさんの表情が非常に固い。
「どうしたんですか?」
「いや、なんでもねぇよ」
ジュビアさんにこのことを伝えなきゃいけないというのが相当嫌なんだろうか?でも心配かけないように真実は伝えておかないと、後々面倒なことになると考えると回答は
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