死にたくないので
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ン。それに答えるよりも早く、ラウルに言われた通り衣服を上に羽織る。
「起きたらこんなことなってて・・・俺にも何がなんだか・・・」
状況を説明したいのは山々なんだか、こちらも理解していないとなればどうしようもない。なので顔を伏せ気味にそう言うと、二人は納得したように顔を見合わせる。
「これが前エーメって人が行ってたこと?」
「竜と悪魔のバランス・・・か」
カノッコ村でエーメに言われたことを以前レオンに伝え、滅悪魔法を使わないようにすることを全員に知らせた。この黒い模様は伸びてきている場所から考えて、滅悪魔法のものと考えていいだろう。
「けど、俺は感情が大きくブレたりしてないよ?」
エーメの言ったことがすべて正しいとするのなら、感情が大きく変動することがなければ二つの魔法のバランスが崩れることはないはず。そもそも一方を使用していないのだから、感情が崩れるとか以前の問題だけど。
「そればっかりは俺たちにはわからないよ」
「無意識に使ってるわけでもないだろうしね」
誰も正解などわかりようがないだけに、悩むだけ無駄なようにも感じる。でも、原因がわからないと直すことができないから、ウェンディたちの前に出ていくことができない。どうしたらいいんだろう。
「医者にでも連れていくか?」
「対応できる医者あるの?」
このままではダメだと様々な意見を出し合ってくれてはいるが、医者に見せてなんとかなるとは思えな・・・
「あ!!」
そこまで考えてある人物が頭を過る。妖精の尻尾の顧問薬剤師で、俺やウェンディに取ってはとても親しみがある人物。彼女ならもしかしたら・・・
「心当たりあるの?」
「うん!!いけるかも!!」
ラウルの問いに元気に答える。わずかとはいえ希望を得ることができたとなれば、元気にならないわけがない。
「なら早めに行ってきなよ。シェリアたちには適当に言っておくから」
追い返した少女たちにこのことを知られたら大騒ぎになる。それをわかっている少年はバレないようにと配慮してくれている。
「じゃあみんなが出ていったら出掛けるよ」
「わかった!!」
「なら俺たちは飯食ってくるわ」
これからのことが決まったところで部屋から出ていくレオンとラウル。俺は身支度を整えつつ、一応出掛けるまでの処置として布団にくるまっておくことにした。
「シリル!!具合どう?」
しばらくして眠りそうになっていると、扉越しにウェンディから声をかけられる。どうやら体調不良ということになっているらしい。なので、それっぽい声で返答しておく。
「大丈夫。そこまでひどいわけじゃないから」
「私たち修行に行っちゃうけど、できるだけ早めに帰ってくるから!!」
そ
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