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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十一話 敵要塞迎撃の準備に取り掛かります。
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今更何を言うんだ。会議でも話があっただろうが。ローエングラム元帥麾下の艦艇約4万隻が帝都を出立してイゼルローン要塞に着任する手はずになっていると。もっともこれも過少報告かも知れん。実際には5万隻はくだらないという情報もある。』
「そんなところに3個艦隊・・・いや、2個半の艦隊ですか。上層部もどういうつもりなんでしょうねぇ。そんな無謀な作戦を立案するだなんて。」
当初第十艦隊のウランフ提督が赴く予定となっていたが、それは取りやめとなっていた。帝国軍の増援の報告を受けて、緊急会議を行った統合作戦本部は新たにバール・ビュンシェ中将の第九艦隊、パエッタ中将の第二艦隊を動員する旨、国防委員長の了承を取り付けていたのである。これは評議会でも承認済みだったのだが、この時はまだその情報がヤンやキャゼルヌの下には届いていなかった。
『パフォーマンスさ。少ない兵力で勝てばいい宣伝材料になる。それに、今回はアーレ・ハイネセンの威力に期待するところが大なんだ。あれ自体が数個艦隊に匹敵すると言われているからな。前の総司令部作戦参謀殿、せいぜい貴官の手並みを拝見させていただくとしようか。じゃあな、健闘を祈る。』
「あ、ちょっ――。」
伸ばしかけた手を引っ込めて、ヤンはため息をついた。通信はきれていたのだ。内心舌打ちしながらヤンはまだ温かみがあるカップに手を伸ばして紅茶を一息に飲みほした。
「アーレ・ハイネセンがイゼルローンを落とすと軍上層部は本気で信じているのだろうか・・・・。」
カップを手にしたまま一人つぶやくヤン・ウェンリーをフレデリカは心配そうにじっと見つめていた。


これより数時間前――。

 要塞進発の前、ウィトゲンシュティン中将の第十三艦隊の面々は、第十七艦隊、そして第十六艦隊の面々と改めて対面することとなった。第十六艦隊は要塞駐留艦隊として要塞内部に駐留したままワープすることとなるが、それ以外の第十三艦隊と第十七艦隊は通常航行でイゼルローン回廊に向かうこととなっていた。別行動の理由は、アーレ・ハイネセンのワープ・イン、ワープ・アウトに伴う次元乱流に巻き込まれないようにするためだった。建造当局が予測したよりも影響が大きいのである。
最先任を誰にするか、については当初統合作戦本部内でも案が割れた。要塞駐留艦隊である第十六艦隊司令官ティファニー・アーセルノ中将にするか、先任である第十三艦隊司令官クリスティーネ・フォン・エルク・ウィトゲンシュティン中将にするか。
だが、ティファニーが案外あっさりと辞退したことで、ウィトゲンシュティン中将が出先艦隊司令官となったのである。要塞司令官にはジャノ―・オーギュステ・クレベール中将が就任した。旧トゥルーデ派の一人であったが、今は鞍替えしてブラウン派と目される人物である。会議はややぎこちなく硬い雰囲気の中終始した
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