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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
光明、明転、転戦
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不可欠なファクターだ。
ソレの真偽などどうでもいい。ただ人々は強い言葉にこそ誘蛾灯のように惹かれ、蛾のように燃えるのだから。
天板に振り下ろした拳を振り回し、アリシャ・ルーは言葉を重ねた。
「レン君のおかげで復興したのに、こともあろうに本人がいない間を狙って……《侵略》されてる」
この言に、古参の者達の中にはあらかさまに眉を顰める者もいた。
あんな新米がいなくとも、この種族は強いと思っているからだろう。古参連中の中では、いまだにあの少年に対する風当たりが強い。
―――だけど。
ただ強い、だけではケットシーは
救
(
・
)
わ
(
・
)
れ
(
・
)
な
(
・
)
か
(
・
)
っ
(
・
)
た
(
・
)
。
少なくとも、アリシャ自身はそう強く信じている。
「気に入らない……気に喰わない、色々あると思うヨ。そりゃそーだ、ここまで一方的にボコられてて、怒らない方が無理って話だヨネ」
だから――――命じよう。
領主なんてガラじゃない。人に命令するなんてキャラじゃない。
けれど、だけれど。
個人の意思
(
それ
)
を押して、命じよう。
「現時刻を以って、領主アリシャ・ルーの名に於いて戦時体制への移行を宣言する。各員は自らの任務を全うするように」
そこで、ケットシー領主は一拍入れた。
少女は、領主を示す額の額冠を鈍く光らせながら鋭く息を吸い込み、「最後に」と続ける。
「身の程知らずのガキどもに、山猫の本気を見せてやるヨ……ッ!」
雪も止んだ、真冬の執務室。
だだっ広い執務室に忍び込む夜気も掻き消す咆哮が、こだました。
ケットシー領首都、フリーリアの領主館。
だだっ広い廊下に、闊歩する大人数の足音が反響していた。
大名行列のように執政部どころか、他の部署も巻き込んで脚を動かす集団の穂先には、領主アリシャが矢継ぎ早に口を動かしていた。
「――――そう、ウンディーネはちゃんとこちらの申し出を受けてくれたんだネ?」
「はい、もともと調査隊と会敵した一団もいましたし、順調に進みました。先方も結構煮え湯を飲ませられてるみたいで、《月光鏡》越しに怒鳴られましたよ。ゴネられた時用の証拠記録も撮ってあります」
「オッケー……次!」
先刻の報告会とやっていることは同じだが、そこに伴う熱量は段違いだ。
もはやケットシーは多少の傷は恐れない。そう領主その人が号令をかけたからだ。
―――これで大ポカしたら、いよいよ政権交代かナ?
執政部面々が聞いたら失神しそうな内容だが、それでも泡のように浮かんだその思いに、ふっとアリシャは小さく笑う。
退くことそのものに憂いはない。どころか、その後の自由気ままな冒険にワクワクして
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