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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
光明、明転、転戦
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はなく、市販の矢であったことを不審がったフニは、ウンディーネの一団との戦闘を隊員達に任せ、付近を探した。
そしてその結果、隠蔽スキルを使って岩陰に潜んでいたスプリガンのプレイヤーを発見したのだ。
「それも、ただの一般プレイヤーじゃありません。装備の良さから、幹部クラスの大物だと思います」
床に膝をつき、こちらを見上げる少年の顔を見つめながら、アリシャは唸る。
「……となると、報告に来たフニ君は偽物だったってことカナ?」
「はい。戦闘が終わった後、知人から『死んじゃったんでしょ?大丈夫?』ってメールが来て、何のことだって思って……詳しく聞いて、初めて全貌が判ったんです!」
「なるほどネ……。ウンディーネのほうは?隊の皆はどうしたの?」
「ウンディーネの皆さんには話をして、事情は分かってもらいました。隊員達は今頃は帰路についているはずです。僕は速く、直接報告しようと思って、自殺しました」
「そりゃまたご苦労サマ」
正直、フレンドメッセージでも良かったような気がしなくもないが、それでは信憑性がなくなる可能性がある。いくらフニに信を置いているといっても、それはあくまでアリシャ個人のモノだ。執政部の面々を説得するには足りなかっただろう。
死亡罰則
(
デスペナ
)
も恐れずにこの場に参上した少年の心意気にこそ、この場の誰もがその言葉に確信を持つのだ。
「で、そのスプリガンは?」
ゆえに、視線が鋭くなるのも仕方がない。
ここまで健気に尽くされるとヤル気も湧いてくるものだ。知らず、剣呑な空気を醸し出す領主の雰囲気に、フニは息を詰まらせながらも口を開く。
「に、逃げられました。交戦しようとしたんですが、目潰しからの隠行魔法コンボで……」
「…………」
ふン、と少女は鼻を鳴らす。
こうなってくると、今頃バレたと連絡が行った、
央都
(
アルン
)
にいる偽物のフニを抑えようとしても無駄だろう。そもそも、捕まえたとしてもアミュスフィアの強制ログアウト機能がある限り、拷問したりといった情報を吐かせることはシステム上不可能だ。
だが、とはいえ。
「敵は――――分かった」
ウンディーネの食い違い抗議文も、こうなってくると色々腑に落ちる。あちらでもお得意の幻惑魔法でコソコソ操っていたのだろう。
―――ゴキブリが。
小さく収斂された怒気が、顔を出す。
ケットシー領主は、ここに来て口調を切り替えた。
確認から、先導へ――――否。
扇動へと。
ゴドン!!と物凄い音を立てて黒檀の執務机が揺れる。その上に積んであった報告書の山が派手に突き崩れるが、もはや誰もそんな些事には気が向かない。
「皆、今私達は《侵略》されてる」
人を操るには、強い言葉は必要
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