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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第51話『ユヅキ』
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よ」


ユヅキの実力を侮っている訳ではない。いや、そもそも実力をそこまで知らないのだけれども。
しかし、1人で戦わせるなんてできない。


「くそっ…この脚が動けば…」

「無理しなくていいよ、ハルト。向こうまで運んであげるから、休んでて」


ユヅキの右手が伸びてくる。晴登はそれを掴むべきか迷った。
それを掴めば、ユヅキは1人で死地に向かうことになる。それはあまりにも危険だ。かといって、晴登がここに残ったところで、何の役にも立たず邪魔な上に、とばっちりを受けるだろう。

・・・決断せざるを得なかった。

したくないけど、それを選ばなければ死ぬ人数が増えてしまう。


「何か、策はあるのか…?」

「1つだけね。あんまり使いたくないけど」

「…それで、勝てるのか?」

「勝算は……ある」


本気である。
そのユヅキの言葉で、晴登はケジメがついた。


──信じよう。


ユヅキが自分を信じたように、自分もユヅキを信じてあげよう。それが、“持ちつ持たれつ”という人間の関係だ。


「頼んだ、ユヅキ」

「ハルトの分も頑張るよ」


晴登は、ユヅキのその手に望みを託した。







「ようやく、1対1でキミと話せるね。それにしても、待っててくれたの?」

「それはさっき聞いたよ。ボクは、キミが言う『ボクに勝つ秘策』について、詳しく聞きたいね」

「ボクとしては、使いたくない手なんだよ。今のままで方がつくならありがたいけど、キミは一筋縄じゃいかないでしょ?」

「いくら実姉とはいえ、ボクはもう決めたんだ。手加減はしない」


姉弟の対立は深まる。
今のユヅキでは、間違いなくヒョウに勝てない。それはさっきの不意討ちを防がれたことからも理解できる。
かといって、策で挑もうとしても力でねじ伏せられるのがオチ。


「仕方ないか…」


ユヅキはそう洩らす。ようやく、決心がついた。

力には力でしか対抗できない。


だから、鬼には──鬼で。


「ハルトのためにも、負けられない!!」


盛大な鬼気が、ユヅキを覆った。
空気がざわめき、気温が一層下がっていく。

その様子には、さすがのヒョウも驚いていた。


「この力はボクの望んだものじゃない。これのせいで、ボクは友達が作れない・・・いや、自分が怖くて作りきれなかったんだ。けど、ハルトをあんな目に遭わせたキミを、ボクは許せない。ハルトのためにも、この力を使うよ」

「……なぜ、そこまであの人間に肩入れするんだ?」


あまりのチグハグさ。それがヒョウには謎でしかなかった。

どうして、1人の人間のために、自分の呪う力を使うの
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