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SNOW ROSE
廃墟の章
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ですよ。だからこの地方では、あまり知られてないんですけどね。」
 それを聞いて、レヴィン夫妻は幾分希望が持てたようで、夫妻は調査がいかに進んでいるのかをロレンツォへ尋ねたのであった。それに対しても、ロレンツォは明確に答えてくれた。
「私が聞いた話では、あの廃墟より歩いて十日程の、ターティスだと思われる村跡まで進んだとのことですよ。」
 異端文書の一つ“セネスの手記”によれば、このターティスの村はメルテの村より数え二番目の村にあたる。それほど大きな村ではなく、歴史資料の中には名さえ上がってはいない。そのため、ターティスについてはかなり情報が乏しいと言え、そうと断定する根拠を見付けるのは容易なことではなかった。遺されたものは家の土台や石造りの小さな聖堂と墓所などで、村の名前を知る手掛かりは一切なかったのである。発見当初はメルテではないかと言われたが、ドナの街であったフォルスタからの距離関係から、どうやらターティスの村ではとの見解に達したのである。
 さて、そうこうしているうちに時は足早に過ぎ去ってゆき、一行は目的地である廃墟へと無事に辿り着くことが出来た。一行を待ち構えていたものは、想像を越えた過去の遺産とも言うべきものだったのであった。




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