暁 〜小説投稿サイト〜
SNOW ROSE
廃墟の章
V
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
歌い始めたのであった。


神は我が憩い
神は我が望みなれ
汝無しに何を遂げられましょうや?

汝の愛は大地を照らし
汝の御手は優しく覆う
いずれ街は廃墟と成り果てようとも
汝の慈しみもて還らん

神は我が憩いであり
我は汝を永久に愛さん


 その日、ハインツの店からは、美しい音楽と笑い声が絶えなかったという。それは、これから起こる禍を憐れに思った神が、彼等へと与えたひとときの安らぎだったのかも知れない。
 この田舎町ですら巻き込んでしまう大きな禍は、もうすぐそこまで忍び寄っていたのであった。だが、まだ暫くは先の話である。その日まで、この街は平安なのである。




[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ