廃墟の章
V
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歌い始めたのであった。
神は我が憩い
神は我が望みなれ
汝無しに何を遂げられましょうや?
汝の愛は大地を照らし
汝の御手は優しく覆う
いずれ街は廃墟と成り果てようとも
汝の慈しみもて還らん
神は我が憩いであり
我は汝を永久に愛さん
その日、ハインツの店からは、美しい音楽と笑い声が絶えなかったという。それは、これから起こる禍を憐れに思った神が、彼等へと与えたひとときの安らぎだったのかも知れない。
この田舎町ですら巻き込んでしまう大きな禍は、もうすぐそこまで忍び寄っていたのであった。だが、まだ暫くは先の話である。その日まで、この街は平安なのである。
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