廃墟の章
I
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のは、彼等が四歳の時である。それは、ディエゴの家族が彼を連れ、遠い西の大陸よりこの土地へと移り住んだことがきっかけであった。因みにソファリスとは、西の大陸にはありふれた姓であるが、この大陸には彼の家族のみである。
「分かった分かった。ちゃんと伝えておくから、早くお二方をご案内して下さいよ。」
何度も言われたハインツは、もう勘弁してほしいと言う風に言った。
「ハインツさんとソファリスさんは、長い付き合いなのですかな?」
ヨゼフが苦笑しながら問い掛けた。隣ではエディアも同じく苦笑していたが、それに答えたのはハインツではなくディエゴであった。
「ええ。ハインツとは、もう三十年近くの付き合いですよ。まぁ、親友と言うよりは腐れ縁ってやつですけどね。さ、大変お待たせしました。出発しましょう。」
そのディエゴの言葉を合図に、三人は戸口を出て教会へと向かったのであった。
陽は未だ高く、晩春の心地好い風が三人の間を通り越していった。
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