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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第80話:1からのスタートではなく、0からのスタート? いいえ、マイナスからのスタートですよ。
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すか?」
「い、いいえ……美しいから貴族令嬢なのかと」
無礼な随行員には何一つ喋らせないようにと、ギルバート殿下が率先して答える。
「生まれはホザック王国ですよ。もし帰国したら、彼女は貴方方が大好きな奴隷に早変わりだ(笑) 国交断絶の切っ掛けを作った奴隷商人が売りに来た少女がユニさんだよ。おいスケベ面、アンタは奴隷相手に性欲滾らせてたんだぞ」
あ〜あ……国交再開の為に気を遣って外遊してきたのに、全部徒労に終わったな。
こんなに敵意を剥き出しにするのなら、何だってウルフ君はホザックの誘いに乗って、僕を派遣したんだ? ここまで断絶感を決定的にするのなら、ホザックに派遣しなくても良かったと思うんだけど……?
ホザックからの特使が来た時、嫌がる父さんを前国務大臣と共に一生懸命説得したのはウルフ君なのになぁ……
ここまで愚かな連中が来るとは思ってなかったのかな?
だからって今更掌を返すように敵視しなくても……
「はぁ〜……ティミー殿下、そんなに不思議そうな顔をしないで下さい。私だってホザック王国との国交再開に賛成だったんですから」
僕の考えが読めたのか、ウルフ君が初期の気持ちを語ってくれた。
「ですが来訪した方々……特に随行員がこちらに良い感情を持ち合わせてないのじゃ、これ以上陛下を説得する事何て出来ないでしょう」
確かに他国に来て、その国の批判を小声とは言え言い続ける連中とは、とてもじゃないが友好的関係を築けるとは思えないけど……
「ギルバート殿下、失礼な物言いをしてしまい申し訳ありませんでした。その事は深く謝罪させて戴きますが、これ以上リュケイロム陛下の心を動かそうとするのは無意味です。あとは我が国を見学して見聞を広める事に集中した方が良いでしょう」
「そ、そうですか……残念でありません」
心底残念そうなギルバート殿下を見て、何だか哀しくなってくる。
リュリュとの結婚は兎も角、国家間で友好的な関係を築いて、個人的にももっと仲良くなれたら良かったのに。
「さて、この後の事ですが……城下を見学する前に、この様な原因を作った奴隷商人の面でも見ておきますか? 彼の者は商売をしに来て囚われて以来、我が城の地下牢に投獄し続けてます。文句の一つも言ってやりたいのではないですか? リュリュ姫と結婚できない最大の要因を作った張本人でもありますし……」
普通、国賓を囚人が居る牢屋へ案内するなんて有り得ないだろう。
でもウルフ君でも如何にも出来なくなった父さんの説得に対する鬱憤を晴らさせる為に、彼が思い付いた優しさなのかもしれない……考えすぎか?
あとはギルバート殿下が何と答えるかだな。
如何考えても薄暗く不潔な場所に行きたくなるとは思えないけど、折角の申し出を断って気遣いを無碍にするのも考え物だ。
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