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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第80話:1からのスタートではなく、0からのスタート? いいえ、マイナスからのスタートですよ。
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話していたと思ったが、父さんは突然リュリュとの結婚問題に話をすり替えた。
多分そうする事で、ギルバート殿下の帰国後の立場を守ったのだろうと思われる。
随行員4人も彼の事を『外国の女に入れ込む次男坊』とだけ印象に残るだろうから。
「じゃぁそんな訳で、難しい話は終わりにしよう。まだ夕食まで時間もあるし、各所の見学に行きたいでしょ? 晩餐は我妻が腕に頼をかけて持て成す予定だから、それまで自由にしててよ。ティミー、ウルフ……ご案内してあげて」
そこまで言うと我々の反応を待たずに退室する父さん。
重い雰囲気だったけど父さんの軽い口調に少し緩和され、皆困り果ててる。
あぁ、ウルフ君を除いてね。
「アイツ自分で買ったシュークリームを残しやがった。どうせ先に摘まみ食いしてるんだぜ。リュリュさん食べます……俺のとリュカさんの分?」
「あ、貰おうかなぁ……でもウルポンも食べないの?」
「甘い物食べてるリュリュさんの可愛い顔を見たいから……」
「じゃぁ今食べず、持ち帰ってウルポンが見てない所で食べるね?」
サラリと口説くウルフ君も凄いが、それを手酷く返すリュリュもステキだ。
「さてと……リュリュさんに振られたところで、皆さんに話があります。特に随行員の方にね!」
「わ、我等に何用ですかな?」
突然のウルフ君の語り掛けに、対応したのは随行員の中で最上位者の……名前、何だったけかな? 忘れた。
「アンタ等がコソコソ言ってたの聞こえてたからな! 貴国には無い不思議な物が溢れかえる町並みを見て、気後れしないようにとワザと市井に紛れ虚け者を演じた我が国王に対し、『攻め込んでも容易く征服出来る』だとか『下郎の如く城下に出てきて、買い物も碌に出来ない』とか……普通言わないから。相手の国に来て、普通は発言しないからコレ」
「そ、その件に関しては真に申し訳ございません!」
バツの悪いギルバート殿下は慌てて立ち上がると、立場的に目下になるウルフ君に頭を下げて謝罪する。可哀想に……あれはこの二人の策略なのに。
「あと、そっちのスケベ面。アンタがユニさんついてティミー殿下に言ってた事も、ちゃんと聞こえてたからね。陛下怒ってたよ……入室しようとした時に、室内から聞こえてきたのが大切な部下を娼婦かの如く発言するアンタに。もし貴国との間に戦争が勃発したら、その一番の理由はアンタの発言だからね。自覚しといてね」
「そ、その件に関しましても「いや、もう良いよ」
再度ギルバート殿下が謝罪しようとするが、諦め口調のウルフ君はそれを遮り紅茶を啜る。
謝罪も受け付けて貰えなくなった殿下は、随行員に向けて厳しく睨み付けて威圧した。
「ところで……そちらのスケベ面さんはユニさんに性的好奇心を募らせてましたけど、彼女の生まれが何処なのか知ってま
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