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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第80話:1からのスタートではなく、0からのスタート? いいえ、マイナスからのスタートですよ。
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リュリュと再会するや否や、初めて出会ったときの状況を事細かに語り、会いたかった事……再会できた事を嬉しそうに話してた。
更に言えば、リュリュも立場上ギルバート殿下に対して敬語を使っていたのだが、幼馴染み(一瞬じゃん!)を楯に自らをギルと呼ぶよう言い、殿下もリュリュと呼ぶ事を明言した。
その後にラングストンが空気を読まず(いや、あれは読んでの事か?)殿下の事をギルと呼ぶと、『何で君に馴れ馴れしく呼ばれなければならない?』と冷ややかに拒絶してた。
リュリュ個人は何時も通り、異性に対して無関心ではあるのだが、奴隷制度を未だに実施してる国に嫁がれるのは流石に嫌だなぁ……
でも父さんは何時も通り、リュリュの結婚相手の選考に対して何も言わないんだろうなぁ……
「私はねギルバート殿下……娘の結婚相手を勝手に決める気は無いんだよ。誰であろうと娘自身が選んだ相手なら、反対はせず結婚を祝福するし心から幸せを願うだろう」
やっぱり……父さんのスタンスは変わる事がない。
「だがねギルバート殿下……君と結婚すると言う事は、君の国……つまりホザック王国に嫁ぐと言う事になる。そうなれば結婚を認めても、親子の縁を切らざるを得ない……何故だか解るかね?」
「そ、それは我が国が陛下の拒絶する奴隷制度を敷いているからでしょうか?」
「その通りだ。この場の誰も経験した事はないだろうが、あの様な非人道的な扱いを容認する事は出来ない! だから貴国とは国交を断絶したのだし、我が国の友好国である“ラインハット”“テルパドール”更には“サラボナ通商連合”も、私の意見に賛成してくれて、貴国との交易を絶っているはずだ」
「では仮に、今すぐ姫様と結婚すると言ったら如何なりますか?」
「先程も言ったが結婚は認める。絶対に拒絶はしない……しかし私は、娘を1人失う事になるだろう。リュリュが親子の縁より、惚れた男を選ぶのだからね」
いきなり核心を突く父さんの発言に、一同沈黙を守っている。だがリュリュは小声で「誰と結婚するにしても、お父さんとの
親娘
(
おやこ
)
関係だけは失いたくない!」と呟いている。勿論それはギルバート殿下にも聞こえているはずだ。
「で、では……将来に向けて我が国が奴隷制度廃止に向かっているとしたら如何ですか?」
「どの目的地に向かってるかは問題ではない。現状が如何なっているのかが問題なのだよ……」
その通りだ。ギルバート殿下は自国の奴隷制度を撤廃したがっている。しかしそれには時間が掛かるし、現状の殿下の
権力
(
ちから
)
では不可能だ。
「君の言葉からは奴隷制度撤廃の意思が強く伝わってくるが、そこに至るまでの道程をまるで解ってない。今まで奴隷制度で懐を潤わせてきた貴族や奴隷商人は、奴隷制度撤廃に強く反発するだろう。事によっては武力決起による
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