25話目 猛獣使い
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らに、「ビビは『レパルダスに“サイケこうせん”が効かない』ということを知っていた」と。だからこそ、あの場面の指示でビビヨンは“ちょうおんぱ”を選んだとグレイは語った。
グレイは表情には出さないものの、ビビヨンとの絆を確かめられたことが嬉しい様子でそれを語った。
「ところでグレイちゃん。ビビヨンやレパルダスとはうまく付き合っているけど、ギャラドスの扱いには随分と苦労してるんじゃないかい?」
サンヨウの指摘に、グレイはうなずきながら答える。
「そうなんですよ。でも、それでも良いんじゃないかって最近は思ってます。ポケモンと心が通じ合わなくても、とりあえず利害関係を築いてポケモンを制御できればいいんじゃねえかって感じで。……そう言えばサンヨウさんのポケモンは、3体とも“おんがえし”を覚えてましたね。感謝を力に変える技でしたっけ? 凶暴なポケモンとも利害関係じゃなくて心を通じ合わせられるんですね」
そのグレイの言葉に、サンヨウが反応した。
「いや、それはむしろ逆さ。私は利害関係を築いてポケモンを制御するために“おんがえし”を覚えさせているのさ。私がポケモンに“おんがえし”を覚えさせる理由は3つあってね……」
右手の親指をたたんで4のポーズを作りながらそう語るサンヨウ。小指が欠けているので、立っている指の数は3本である。
「まず1つは、私への感謝を強制させることさ。凶暴なポケモンってのはね、多かれ少なかれ強い力を求めているもんさ。ところが、私に感謝してないポケモンは“おんがえし”で強い威力を出すことができない。私に感謝する方がより強くなれるって状況を作っているのさ」
サンヨウはさらに語り続ける。
「2つ目の利点は、“おんがえし”の威力の強さでポケモンとの信頼関係が計れることさね。そして最後3つ目は……これはジムリーダーの中でも意見が分かれる所だからオフレコでお願いしたいんだけどね……いいかい?」
グレイは、他の人には言わないとサンヨウに約束して続きを催促した。
サンヨウは少し小さい声で話し始める。
「“おんがえし”の利点3つ目。……それは、万が一ポケモンに反逆されて襲われた時に、少しでも脅威を減らすためさ。トレーナーに襲いかかるような状態のポケモンがトレーナーに感謝することなんてできないからねえ、反逆される時には“おんがえし”は威力を発揮しない訳さ」
語り終えたサンヨウは、もう1度釘を刺すようにグレイに話しかける。
「いいかい? ジムリーダーのサンヨウが反逆対策のために“おんがえし”を覚えさせてるなんて言ったらダメだよ? ポケモンを信頼するのがトレーナーの正しい姿勢で、ポケモンが反逆するなんて考えるとはジムリーダー失格だ! なんて言う人もいるからね」
「分かってますって! 誰にも言わないですよ」
グレイにとっては、
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