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トラベル・トラベル・ポケモン世界
25話目 猛獣使い
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ダスの“みだれひっかき”による連続攻撃はまだ続いており、『“しびれごな”の壁』に続いて“むしのさざめき”も完全に相殺した。
 互いに技を使い終わった直後、空中のレパルダスは最初のジャンプの勢いを維持したままビビヨンに飛びかかるが、ギリギリの所でビビヨンはそれを避けた。
 レパルダスが着地する瞬間のタイミングを狙ってビビヨンが“むしのさざめき”を放った。不安定な姿勢のレパルダスに“むしのさざめき”が迫る。
「“おんがえし”だよブドウちゃん!」
 しかし隙を狙った“むしのさざめき”は、レパルダスの“おんがえし”による尻尾の薙ぎ払い攻撃によって相殺された。

 一歩間違えれば今の時点で負けていたとグレイは思った。レパルダスの飛びかかり攻撃を避けることができたから良かったものの、もし捕らえられていたらビビヨンは地面に引きずり下ろされ、次の瞬間にはレパルダスの強力な2回攻撃で倒されていただろうと。
 『“しびれごな”の壁』による、麻痺かダメージかの2択を強いる戦法は、相手の連続攻撃という手段によって2択の枠を超えられて失敗。
 さらに着地の無防備な瞬間を狙った一撃も、どんな体勢でも繰り出すことができる“おんがえし”によって防がれて失敗。
 グレイは新たな戦法を求められる状況になってしまった。

 しかし、そう簡単に新しい戦法など思いつくものでもない。
 グレイはその場しのぎで、とりあえず『“しびれごな”の壁』を再びビビヨンに作らせることにした。
 先と同様、レパルダスは超“みだれひっかき”で『壁』と“むしのさざめき”を強引突破しつつビビヨンに飛びかかった。
 しかしグレイが何も打開策が無いことを察してか、ビビヨンは守りに徹する姿勢を見せていたためレパルダスの攻撃をギリギリで回避することができた。
 さらにビビヨンは、レパルダスが着地する瞬間の無防備な体勢を狙って“むしのさざめき”を放った。しかしそれも先と同様、レパルダスの“おんがえし”で防がれた。ビビヨンは上昇しつつ再び“しびれごな”を発動し、壁作戦を継続する。
 その様子を見つつグレイは思う。
(オレがタイミングとか指示しなくても、壁作戦とか、着地の隙を狙うとか、勝手にやってくれるんだよなビビは。結構ビビって学習能力高いよな。さっきもレパルダスには“しびれごな”は効かないんじゃないかって抗議の視線を送ってきたし……何ならオレが間違った指示を出しても勝手に修正してくれるんじゃないか? ……あ!)
 突如として作戦を思いついたグレイは、作戦のタイミングを計るためにバトルの状況に目を移す。
 状況は、レパルダスの飛びかかり攻撃を危なっかしく避けたビビヨンが、レパルダスの着地の瞬間を狙って“むしのさざめき”をちょうど発射した瞬間であった。
「ビビ、後ろに逃げろ! 壁際までいっぱいだ!
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