25話目 猛獣使い
[14/20]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
形を作った右手で切り裂き、最後に突き立てた親指で首を横に斬った。
ビビヨンは苦笑いのような表情をグレイに返した。ジェスチャーは『攻撃されれば死ぬ』の意味をもっており、防御力の弱いビビヨンが相手レパルダスの攻撃を受けたら一撃で倒れるという警告のメッセージである。
グレイは再び相手レパルダスを見ながら考える。
(相手は悪タイプのポケモン……ビビの“むしのさざめき”は効果抜群だが、“サイケこうせん”は全く効かない……つまり肉弾戦ができないビビは攻撃方法が“むしのさざめき”1種類だけってことになるな。あとは“しびれごな”と“ちょうおんぱ”をどう使うかだ。そう、相手はレパと違って特性「じゅうなん」じゃないから麻痺させることができるのを忘れたらダメだな)
思考を終え、グレイは使うべき戦法を決定した。
審判の合図により、お互い最後のポケモンによるバトルが開始された。
「ビビ、狙撃だ! 近づかれたら死ぬと思え!」
グレイの指示でビビヨンは“むしのさざめき”を遠くのレパルダスに向けて発射した。
「ブドウちゃん、“おんがえし”で防ぎな!」
レパルダスは、飛来する“むしのさざめき”による音の衝撃波に向かって“おんがえし”を繰り出して攻撃した。“おんがえし”は飛来する“むしのさざめき”の威力を完全に消滅させた。
「ブドウちゃんの2発分の“おんがえし”の方が威力が強いようだね! じゃあブドウちゃん、相手に近づくんだ!」
レパルダスはビビヨンに向かって走り始める。ビビヨンが“むしのさざめき”を放つ度にレパルダスは“おんがえし”で打ち消した。
障害物が全くない闘技場のようなバトルフィールドには逃げ場がなく、レパルダスとビビヨンの距離はすぐに縮まっていく。
「ビビ、壁作戦だ!」
グレイの指示に対して、ビビヨンは戸惑いの表情を返してきた。その理由に気づいたグレイは早口で言葉を投げる。
「ビビ、大丈夫だ。そのレパルダスはレパとは違って“しびれごな”が効くんだよ!」
グレイの所持するレパルダスの特性は「じゅうなん」であるため“しびれごな”は効果が無い。そのためビビヨンは『レパルダスには“しびれごな”が効かない』という刷り込みがあったのである。
グレイが間違った指示を送っている訳ではないと分かり、ビビヨンは壁作戦を行うために急上昇して空中静止する位置を高くした。
「なんだい、空に逃げたって無駄だよ? レパルダスは全力でジャンプすればバトルフィールドの天井まで届くからね。グレイちゃんもレパルダスを連れてるなら、そのジャンプ力は分かるだろう?」
「逃げただけじゃないんだ、これが。まあ見てて下さいよ」
グレイはビビヨンを指しながらそう言った。
サンヨウが視線を移すと、ビビヨンが高い位置で“しびれごな”を発動して麻痺効果
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ