25話目 猛獣使い
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と思うから、アンタが負けることは無いと思うけどな」
「あれ? お前は来ないの?」
「……なんでわざわざ自分の親に会わないといけないのさ? 俺は今日はこのクラブの図書館にこもることに決めているんだ」
「ああ、そうなの」
イザルをその場に残し、グレイを乗せた車はバトルクラブ「ハーフ・シリアス」を後にした。
3時間程車に揺られたグレイは、サアドシティという都市にあるポケモンジムに到着した。
ジムの前では、イザルの母親を名乗る人物がグレイを迎えてくれた。
「へえ〜あなたがグレイちゃんかい! 息子がお世話になったみたいねえ。さあさあ、どうぞこっちへ」
イザルの母親は、グレイをジムの奥に案内しながら、グレイに次々と喋りかけてくる。
「ねえグレイちゃん? うちの息子って外ではどんな感じなんだい? ちゃんと他のトレーナーと会話できてるのかい? 意地っ張りな性格は旅に出ても治らないのかねえ? グレイちゃんはどうやって息子と仲良くなったのさ? あの子素直じゃないから全然友達できないのに珍しいねグレイちゃん?」
「ああ……えっと……」
1つ質問された事に対してグレイが答えようとすると、答える前にさらなる新しい質問が追加される。どちらの質問から答えようか迷っていると、また新しい質問が追加される。こうして未回答の質問が際限なく溜っていく。
グレイは、圧倒的な手数の質問攻めを受け、バトルする前から疲れを感じ始めた。
(イザルが帰りたがらない理由がなんとなく分かった気がするな……)
やかましく喋り続けるイザルの母親を見て、グレイはそう思った。
グレイはイザルの母親に案内されて、ジムの奥にあるバトルフィールドにたどり着いた。
直方体のバトルフィールドは、地面は平らに整備され、遮蔽物や障害物が一切なかった。お互いに逃げ場がない闘技場を思わせるバトルフィールドであった。
「じゃあ、早速バトルしちゃおうか! ルールは3対3のシングルバトルでね」
「ん? あなたと戦うんですか?」
「そうよ? 私がこのサアドシティのポケモンジムでジムリーダーを務めているサンヨウだよ。どうもよろしくね!」
イザルの母親は、自らをジムリーダーのサンヨウと名乗った。
その事にグレイは驚き、口を開く。
「猛獣使いって聞いてたから、てっきり強面な男がやってるもんだと……イザルの親父がジムリーダーをやってるかと思ってました」
「あっははは! 女にだって猛獣使いは務まりますとも! じゃあ、審判の用意もできたみたいだし、握手してからバトルを始めちゃおっか」
「ああ、どうもよろしく――」
グレイは握手しようとしてサンヨウの右手に視線を移し、一瞬動きを止めた。
そのグレイの様子に、サンヨウが口を開く。
「何か気づく事があった?」
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