205部分:魔皇子その三
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すぐのところにいるな」
アレスが言った。
「イシュタルもな。この魔力は間違い無い」
イシュトーが言った。他にはセティとコープルがいる。
「行こう、おそらくブルーム王やトラバント王よりも遥かに強力な相手だ。だが我々は負けるわけにはいかない。暗黒神を再びこのユグドラルに降臨させない為にも」
一同頷いた。その決意は固い。
扉を開けた。極彩色の部屋の左右にプレートメイルが数体ずつ並べられている。どれも奇妙な装飾が施され剣や槍を持っている。
五人が部屋の真ん中に来ると鎧が一斉に動き出した。ガシャガシャと音を立て五人に襲い掛かる。
「ここは任せろ!」
アレス、セティ、コープルが左右に跳んだ。鎧を押し留め防戦する。
「御免!」
セリスとイシュトーは全速で前の扉へ駆けた。そして思いきりこじ開け中に飛び込んだ。
「ここは・・・・・・」
そこは真っ暗闇であった。扉からの光が差す場所以外何も見えない。
二人は前に出た。すると後ろの扉が突然閉まった。
「むっ!?」
左右にボッ、ボッ、ボッ、と燭台に火が灯った。
「ようこそセリス皇子、いや兄上と呼んだほうがいいかな」
漆黒に塗られた部屋の奥の黒い禍々しい形をした翡翠の玉座にその少年はいた。少年の声と同時に何かしら獣めいた声で話している。
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