203部分:魔皇子その一
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を歪めて笑った。
「何!?」
「まさか私があの者達に敗れると本気で考えておられるのですか?それは父上が最も良くご存知だと思っていたのですが。母上が亡くなられた時に」
「うっ・・・・・・」
「それを考えられれば今何を為されるべきかお解りですね?まあどうしてもと言われるなら宜しいですが。・・・・・・しかし誰のおかげで今まで生きてこられたか。・・・・・・ねえ父上」
ユリウスの紅い瞳が竜のそれになった。黒い気が全身を包む。
「・・・・・・わかっている。私は御前には・・・・・・勝てぬ」
ユリウスの瞳が人のものになった。気も消え去った。
「・・・・・・やれやれ、最初からそう言っていただければ。ではすぐにシアルフィに戻られよ。そして子供達をシアルフィに受け入れて頂く」
「・・・・・・ああ」
アルヴィスは力無く頷くとワープで姿を消した。ユリウスはそれを侮蔑しきった目で見送った。
「・・・・・・さてと、イシュタル」
彼はイシュタルに向き直った。その顔はあどけない少年のものになっていた。
「子供達はマンフロイに任せれば良い。我々はここで解放軍を迎え撃つとしよう」
「・・・・・・はい」
イシュタルは答えた。今一つ顔色が良くない。
「どうした?浮かない顔をして。やはり子供狩りは気が進まぬか」
「・・・・・・いえ」
イシュタルはそれを否定した。だが顔色までは否定出来なかった。
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