第72話 口寄せ
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和を尊ぶ婚后家ではこれぐらい当たり前ですわ」
「まあマシな方だな。それでも素人に毛が生えた程度だが」
「んぐ!?」
「何あんた書写の先生か!?」
「何だよ書写って?」
「これで良いかな?」
最後に木山が元教師らしい丁寧で読みやすい字で名前を書き終え、これで全員分の名前を書き終わったことになる。
「さてと」
「うぃーん!がしゃん」
サソリはフウエイの頭を軽く叩くとなぜフウエイの口から一本のクナイが飛び出てきた。
「待ってどういうこと?」
当たり前の日常のように組み込まれた刃物を吐き出す仕草に御坂が思わずツッコミを入れてしまった。
「海外で剣を飲んでいるような感じですかね」
「サソリさん!子供にそんな事はダメですわ」
「訓練すれば誰でも出来るんじゃない(適当)?」
「すまんがいちいち質問しないでくれ......」
「うーむ......やはり見ていて飽きないな」
「サソリ様のする事は全肯定です!」
一連のコントのような展開に肩透かしを食らったサソリは、普段の調子が戻せずに四苦八苦していた。
人数が増えた分だけ説明する手間が累乗していき膨大な思考をしなければならず些か面倒になる。
とりあえずクナイがなぜフウエイから出てきたのかは置いておいて、名前の先頭にある佐天にクナイを渡した。
「??物騒な物を渡された」
「それで何処でも良いから切って血を出せ」
「「血!?」」
「さっきから何を聞いていたんだよ......」
「だ、だって......これで切ったら痛いじゃん」
「なんならそれを使わないで歯で噛んで流すのも手だな」
サソリの言葉を聞くとハッとして佐天は興奮したように顏を上げた。昔の記憶が突如として繋がり明快な解答へとたどり着く。
「あっ!漫画でやってたー!確か親指を噛んで......はんで」
意気揚々と佐天があむあむと噛んでいるが思いの他自分の指の皮膚は弾力があり、裂傷までいかない。
人間を始めとした生物全般に言える事だが、自分で自分を傷付けるのは本能的に出来ないとされており、未来が予測出来る人間なら傷による血が流れ、痛みが走るのが簡単に想像出来る為に躊躇に歯止めが掛からない。
「こ、怖くて出来ない......ムズ!!えっ?!漫画のキャラは簡単にやっていたのに!」
悔しさと恐怖心が佐天の身体を硬くして親指に甘噛みを繰り返すだけだった。
「ほんひょですね(本当ですね)!」
初春も真似をしてみるが、なにやら物欲しそうに眺める子供の姿と重なった。
「旦那......これって血ならどこでも良いのかしら?」
麦野が腕を組みながらサソリに質問を飛ばした。
「そうだな......契約に必要なのは自分の血だから場所は関係ない」
「なるほど......じゃあ旦那は水
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